Monthly Archives: 7月 2015

本の紹介454 「一流の存在感」がある人の振る舞いのルール(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
「一流の存在感」がある人の振る舞いのルール

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

社会的信用を重視する大手企業や大手事務所では、プロフェッショナルな印象の服装を選べないような人間は上に行くチャンスをつかめません。特に欧米の競争社会では、中身に自信があるなら、それとわかる外見を持っているはず、という考え方が一般的で、自分の外見さえマネジメントできない人間には何もできないと評価されます。」(139頁)

内面こそが大切だという方からすれば異論のあるところでしょう。

しかし、内面が大切だというきれいごとを貫くとしても、外見を軽視してよい理由にはなっていません。

両方大切なのでしょう。

実際、外見からその人の人となりを推察する以上、外見そっちのけ、というわけにはいかないでしょう。

服装、時計、車などから、その人を評価されることを理解し、マネジメントするという意識を持つだけで身につけるものが変わってくると思います。

セクハラ・パワハラ12(Y事件)

おはようございます。

今日は、性的発言等のセクハラ等を理由とする懲戒処分等が有効とされた最高裁判例を見てみましょう。

Y事件(最高裁平成27年2月26日・労経速2243号3頁)

【事案の概要】

本件は、男性従業員であるXらが、それぞれ複数の女性従業員に対して性的な発言等のセクシュアル・ハラスメント(以下「セクハラ」)等をしたことを懲戒事由としてY社から出勤停止の懲戒処分を受けるとともに、これらを受けたことを理由に下位の等級に降格されたことから、Y社に対し、上記各出勤停止処分は懲戒事由の事実を欠き又は懲戒権を濫用したものとして無効であり、上記各降格もまた無効であるなどと主張して、上記各出勤停止処分の無効確認や上記各降格前の等級を有する地位にあることの確認等を求めている事案である。

【裁判所の判断】

懲戒処分は有効

【判例のポイント】

1 X1は、営業部サービスチームの責任者の立場にありながら、従業員Aが精算室において1人で勤務している際に、同人に対し、自らの不貞相手に関する性的な事柄や自らの性器、性欲等について殊更に具体的な話をするなど、極めて露骨で卑わいな発言等を繰り返すなどしたものであり、また、X2は、上司から女性従業員に対する言動に気を付けるよう注意されていたにもかかわらず、従業員Aの年齢や従業員Aらがいまだ結婚をしていないことなどを殊更に取り上げて著しく侮辱的ないし下品な言辞で同人らを侮辱し又は困惑させる発言を繰り返し、派遣社員である従業員Aの給与が少なく夜間の副業が必要であるなどとやゆする発言をするなどしたものである。このように、同一部署内において勤務していた従業員Aらに対し、Xらが職場において1年余にわたり繰り返した上記の発言等の内容は、いずれも女性従業員に対して強い不快感や嫌悪感ないし屈辱感等を与えるもので、職場における女性従業員に対する言動として極めて不適切なものであって、その執務環境を著しく害するものであったというべきであり、当該従業員らの就業意欲の低下や能力発揮の阻害を招来するものといえる

2 しかも、Y社においては、職場におけるセクハラの防止を重要課題と位置付け、セクハラ禁止文書を作成してこれを従業員らに周知させるとともに、セクハラに関する研修への毎年の参加を全従業員に義務付けるなど、セクハラの防止のために種々の研修を受けていただけでなく、Y社の管理職として上記のようなY社の方針や取組を十分に理解し、セクハラの防止のために部下職員を指導すべき立場にあったにもかかわらず、派遣労働者等の立場にある女性従業員らに対し、職場内において1年余にわたり上記のような多数回のセクハラ行為等を繰り返したものであって、その職責や立場に照らしても著しく不適切なものといわなければならない

3 そして、従業員Aは、Xらのこのような本件各行為が一因となって、本件水族館での勤務を辞めることを余儀なくされているのであり、管理職であるXらが女性従業員らに対して反復継続的に行った上記のような極めて不適切なセクハラ行為等がY社の企業秩序や職場規律に及ぼした有害な影響は看過し難いものというべきである。

4 原審は、Xらが従業員Aから明白な拒否の姿勢を示されておらず、本件各行為のような言動も同人から許されていると誤信していたなどとして、これらをXらに有利な事情としてしんしゃくするが、職場におけるセクハラ行為については、被害者が内心でこれに著しい不快感や嫌悪感等を抱きながらも、職場の人間関係の悪化等を懸念して、加害者に対する抗議や抵抗ないし会社に対する被害の申告を差し控えたりちゅうちょしたりすることが少なくないと考えられることや、本件各行為の内容等に照らせば、仮に上記のような事情があったとしても、そのことをもってXらに有利にしんしゃくすることは相当ではないというべきである

非常に重要な判例です。

セクハラ事案では、原告から上記判例のポイント4のような主張がなされますが、この最高裁判例を前提とするかぎり、採用される可能性は低いと思われます。

ハラスメントについては、注意喚起のために定期的に研修会を行うことが有効です。顧問弁護士に社内研修会を実施してもらいましょう。

本の紹介453 いますぐキャラを変えなさい(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、本の紹介です。
いますぐキャラを変えなさい

東進ハイスクールの安河内先生の本です。

少し前の本ですが、もう一度読み直して見ました。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

よく『体が資本』と言われますが、みなさんは『キャピタル』です。すなわち収入を生み出すための原資です。そして、このキャピタルの評価は『あなたが身につけている能力』によってなされます。そう考えると、給料、すなわち、インカムを増大させるための最も確実な方法は、キャピタルを増やす、つまり、あなたの能力を向上させるということになるわけです。
インカムを得たとき、それを勉強に遣わないで、つまりキャピタルに還元しようとしないで、そのまま支出に使っていると、キャピタルは永遠に同じ状態のままか、目減りして弱っていってしまうのです。」(96頁)

収入を増やすために、最も確実な方法は、自分に力をつけることです。

代えがたい存在になることです。

自分に投資をし、一歩ずつ向上していくことです。

自分自身ではない、会社や両親などのキャピタルに依存せず、自分自身のキャピタルで勝負をする気構えが必要です。

日々、多忙なのはみんな一緒です。

その中で、毎日、1%ずつキャピタルをプラスしていく意識が大切だと思います。

毎朝15分早く起きて、日常の仕事とは違う何かを習得するために勉強する。

こういう意識、姿勢が1年後、5年後の自分を変えるのだと信じています。

解雇178(甲社事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、内部告発を理由とする解雇についての裁判例を見てみましょう。

甲社事件(東京地裁平成27年1月14日・労経速2242号3頁)

【事案の概要】

本件は、被告を解雇された原告が、解雇が無効であるとして、労働契約上の地位の確認並びに賃金及び遅延損害金を求める事案である。

【裁判所の判断】

解雇無効

【判例のポイント】

1 Xは、Y社の就業規則の周知方法は、労働基準法106条に定める方法(常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付すること)に当たらず、周知性を満たさないと主張する。しかしながら、同条はいわゆる取締規定であり、Y社の周知方法が同条の周知方法を満たしていない場合であっても、実質的に見て事業場の労働者集団に対して当該就業規則の内容を知りうる状態に置いていたといえれば、就業規則の効力の発生要件たる周知性は満たすといえるため、Xの主張は採用できない。

2 本件解雇における解雇理由②は、Xが世田谷保健所に虚偽の通報を行ったことを理由とするものであり、いわゆる内部告発を理由とするものといえる。かかる労働者の内部告発は、みだりに労働者が負っている使用者の利益を害しないようにするいわゆる誠実義務に違反するものとして懲戒解雇の対象となることはもちろんである。しかしながら、他方で、労働者による内部告発が使用者による法令違反行為の是正・抑止を促進することにもつながるものであり、正当な内部告発であれば、これを保護する必要がある。したがって、内部告発の有効性については、①労働者の行った通報対象事実の根幹部分が真実であるか、労働者が真実であると信ずるにつき相当の理由があるか否か(真実または真実相当性)、②その目的が公益性を有しているか否か(目的の公益性)、③通報を行った手段、態様が必要かつ相当なものであるか否か(手段または態様の相当性)を総合的に考慮して、労働者の行った通報が正当と認められる場合には、通報の違法性は阻却され、これを理由とする懲戒解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上も相当とはいえず、無効になると解される。

3 ・・・以上からすると、本件においては、Xの行った具体的な通報内容には、その存在が認められなかった部分も多くあるもののその根幹部分であるY社の衛生状態について問題がある、あるいはY社の従業員の食品衛生に対する意識が低いという点については、少なくともXがそのように信じるについて相当な理由がなかったとまではいえない。また、通報の目的についても、私怨を晴らす目的があったとまでは認めることはできず、食中毒を発生させないという公益をはかる目的があったといえる。さらに、手段または態様についても、若干執拗な嫌いもあるが行政機関に対する通報に留まっていることも勘案すれば、相当性を欠くとまではいえない。
以上を総合的に考慮すれば、解雇理由②は、客観的に合理的な理由であるとは認め難い。

ぎりぎりセーフですね。

「通報の根幹部分」の解釈をかなり緩やかにしてくれたため、なんとかなっていますが、裁判官によっては内部告発の有効性を否定することも十分考えられます。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介452 華僑の起業ノート(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は本の紹介です。
失敗のしようがない 華僑の起業ノート

大物華僑のもとで修業した著者が、華僑の成功法則について説明してくれています。

起業に限らず、日常のビジネスにおいてもとても役に立つ内容です。

おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

自分で経験してわかったことを人に伝えるのはなかなか難しい。なぜかと言えば、相手は経験してないんだから。もし自分のことを相手がすぐに理解したら自分のレベルがまだまだ低いと思わないといけません。そういう意味では、理解されないことが多いほどステップアップできたなあ、と喜ぶべきですね」(187頁)

逆転の発想です。

実際、そうかもしれませんね。

そもそもなんでもかんでも周りの人に理解されようと思わないことです。

自分が考えていること、成し遂げようとしていることにいちいち共感を求める必要などないのです。

共感されずとも、理解されずとも、自分がやるべきだと思うことをやればいいのです。

「わかる人にはわかる」

この程度の感覚がちょうどいいのですよ。

解雇177(WILLER EXPRESS西日本事件)

おはようございます。

今日は、バス運転士2名に対する複数の懲戒処分に関する裁判例を見てみましょう。

WILLER EXPRESS西日本事件(大阪地裁平成26年10月10日・労判1111号17頁)

【事案の概要】

本件は、バス運転士としてY社に勤務していたXらが、Y社に対し、Y社がXらに行った車庫待機の処分並びに出勤停止及び懲戒解雇の各懲戒処分がいずれも無効であると主張して、労働契約上の地位確認、賃金及び不法行為に基づく損害賠償の支払いを求める事案である。

【裁判所の判断】

いずれの懲戒処分も違法無効

【判例のポイント】

1 本件第1次処分のうち「自宅謹慎」は、その間、無給であったこと、「車庫待機」は、その間、基本給のみが支給され、歩合給である諸手当は支給されなかったことが認められる。そうすると、このように賃金の全部又は一部の不支給を伴う処分は、労働者に対する不利益処分にあたるから、使用者は、業務命令として行うことはできず、懲戒処分として行わなければならない
Y社は、Xらに対し、平成20年6月10日の乗務の後、直ちに就業規則63条に基づき勤務待機(ただし、勤務したものとして取り扱われる。)を命じた上、賞罰委員会における審査を経て、懲戒処分を行うことが可能であったにもかかわらず、これを行わなかったにすぎない。
したがって、本件第1次処分は、違法な不利益処分といわなければならない。

2 使用者が、被用者に対し、企業秩序違反行為を理由として違法な不利益処分を行った後に、改めて有効な懲戒処分を行うことができるかどうかが問題となる。使用者の懲戒権の行使は、企業秩序維持の観点から労働契約関係に基づく使用者の機能として行われるものであるが、制裁罰にほかならないから、同一の行為について重ねて懲戒権を行使することは、その権利を濫用したものとして無効とされる。そして、この理は、企業秩序違反行為についてなされた先行する不利益処分が有効な懲戒処分であるか否かに関わらないというべきであるから、使用者が、企業秩序違反行為を行った被用者に対し、違法な不利益処分を行った場合、当然に懲戒処分をやり直すことができるというわけではない。このような場合、使用者は、被用者に対し、先行する不利益処分を撤回するとともに、当該処分によって被った不利益をてん補した後でなければ、改めて懲戒権を行使することはできないと解される。しかも、当該企業秩序違反行為から期間が経過するにつれて、企業秩序維持の観点から懲戒権を行使する必要性が低減していくことも考慮しなければならない

3 Xらは、平成20年6月10日、乗務の数時間前に飲酒を行うという運転手としてあるまじき行為を行ったものであり、懲戒解雇処分を受けてもやむを得ない立場にあったものであるが、そうであるからといって、違法な本件各処分を受けなければならない理由はない。そして、Xらは、Y社から多数回かつ長期間にわたる違法な本件各処分を受けたことにより、労働契約上の地位確認や賃金の支払を受けただけではてん補され得ない精神的苦痛が生じたと認められ、これを慰謝するには、Xらそれぞれについて50万円をもって相当とする。

懲戒処分に関する非常に重要な裁判例です。

是非、参考にしてください。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介451 中国古典からもらった不思議な力(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、本の紹介です。
中国古典からもらった「不思議な力」

10年以上前の本ですが、紹介します。

著者は、SBIホールディングスの北尾社長です。

中国古典から、今の時代を生き抜くために必要な言葉を紹介してくれています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

自らの運を強くするためには、困難に遭っても悲観せず、前向きに受けとめることも大切なことです。『冬日の閉凍や固からずば、即ち春夏の草木を長ずるや茂からず』 これは『韓非子』にある言葉です。冬のこの大地が凍るような寒さがないと、春から夏にかけて盛んに草木が生い茂っていくことはない。まさに『艱難、汝を玉にす』ということです。・・・『死地に陥れてしかる後に生き、これを亡地に置いてしかる後に存す』これは『十八史略』の中にある言葉ですが、絶体絶命の境地に自分を追いやる、そして、そこから生き残っていってこそ、強い自分ができる。」(45~46頁)

平和な日常、平穏な生活を送り続けていると、ピンチに対する耐性が落ちてしまう気がします。

飼いならされて、毎日、苦労せずに、同じ時間にエサをもらえる飼い犬を長いこと続けてしまうと、いざ野生に戻されても、サバイバルで勝ち残ることはできないでしょう。

安定とは真逆の方向に進むことでしか幸せを感じられない体質なのです。

毎日がサバイバルです。

毎日がガチンコ勝負です。

解雇176(とうかつ中央農協事件)

おはようございます。

今日は、虚偽事実記載文書配布等を理由とする懲戒解雇に関する裁判例を見てみましょう。

とうかつ中央農協事件(東京高裁平成25年10月10日・労判1111号53頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の従業員であったXが、平成21年3月12日付けで懲戒解雇されたところ、解雇は無効であって、それを前提として平成24年3月末日限り定年退職したと主張して、Y社に対し、雇用契約に基づき、退職金1734万3000万円および遅延損害金を求めるとともに、未払賃金合計1312万9140円並びに遅延損害金の支払うを求める事案である。

原審は、Y社のした懲戒解雇が無効であるとして、Xの本件請求を認容した。

Y社は、原審判決を不服として控訴した。

【裁判所の判断】

控訴棄却

【判例のポイント】(以下、原審・控訴審判決両方を含む)

1 本件就業規則第97条5号の内容は必ずしも判然としないが、Y社は、本件就業規則第97条5号「組合の経営上若しくは業務上の重大な秘密又は職務に関連して知りえた組合員等の個人情報を組合外に漏らしたとき」と同趣旨であることを前提としていると解されるところ、仮に同趣旨であると解したとしても、当該文書の内容は、主としてXの不平不満を述べるものに過ぎず、また、「組合の経営上若しくは業務上の重大な秘密」又は「職務に関連して知りえた組合員等の個人情報」に当たる記載があるとは解されない。よって、Y社の主張する本件就業規則第97条5号の内容を前提としても、本件文書配布行為が同号に該当するとはいえない

2 Y社は、本件欠勤には正当な理由がなかった旨主張する。 しかし、Xが本件欠勤の理由とした腰椎椎間板ヘルニアが業務上の疾病でなく、業務外の事由により発症したいわゆる私病であるとしても、本件欠勤に正当な理由が腰椎椎間板ヘルニアの症状の程度がXの業務に耐えうる程度であったとしても、Xは、医師の診察を受け、Xの腰椎椎間板ヘルニアの程度が業務に耐えないとの医師の診断に従い、欠勤していたこと、Y社がXに電話で症状についての説明を受けるにとどまり、Xに出勤を促すことはあったものの出勤命令を出したことはなく、Xに対して本件就業規則第42条2項ただし書により医師を指定してその診断を受けることを命ずることもなかったことに鑑みれば、Xが積極的にD社の建物やY社の本店に出向いて、業務の従事等について相談することがなかったことを考慮しても、本件解雇は合理的相当性を欠き解雇権の濫用であって無効であるといわざるを得ない

懲戒解雇の場合、就業規則の記載内容と懲戒解雇事由との関係について、厳密に判断されます。

文言解釈として無理がある場合には、会社側としては厳しい戦いを強いられます。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介450 机の上はいらないモノが95%(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。
机の上はいらないモノが95%―世界一シンプルな整理法

机の上を整理しましょう!という本です。

机の上を整理することにより、仕事の効率を上げることができますね。

机の上がいつも泥棒が入った後のような状態の方は、是非読んでみて下さい。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

自分の目標に沿った優先基準を見つけなければ、あなたは永遠にその目標に近づくことはできません。」(87頁)

短い文章ですが、重要なことです。

日常生活における優先基準を設定することは、目標に到達する上で必要不可欠なことです。

そうでなければ、いくら時間があっても足りません。

「人生には無駄なことなどない」と言いますが、目標を達成するためには、人生には無駄なことが溢れかえっています。

何かを得るためには、何かを犠牲する覚悟が必要なのだと思います。

賃金95(ワークスアプリケーションズ事件)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は、うつ病による休職期間満了後の退職扱いの有効性と未払賃金等請求に関する裁判例を見てみましょう。

ワークスアプリケーションズ事件(東京地裁平成26年8月20日・労判1111号84頁)

【事案の概要】

本件は、Y社と労働契約を締結した労働者で、平成24年12月7日をもって休職期間満了により退職とされたXが、使用者であるY社に対し、休職前である24年5月1日から同年10月10日までの時間外労働手当およびこれに対する遅延損害金の支払い、その付加金および遅延損害金の支払い、休職期間満了日までにXは就労が可能となり復職要件を満たしていたのにY社から就労を拒絶されたため就労できなかったとして、同日からの賃金およびこれに対する遅延損害金の支払いを求めた事案である。

Xは、上記の請求と合わせて、労働契約上の権利を有する地位の確認も求めていたところ、同請求については、Y社がこれを認諾して終局した。

【裁判所の判断】

Y社はXに対し102万9670円+遅延損害金、同額の付加金+遅延損害金を支払え

Y社はXに対し、179万4877円+遅延損害金を支払え

Y社はXに対し、平成25年4月から同年9月まで39万2858円、同年10月限り、28万5715円、平成25年6月限り39万2858円+遅延損害金を支払え

【判例のポイント】

1 労働時間を算定しがたいか否かは、その業務の性質、内容等、及び、使用者と労働者との間の当該業務に関する指示及び報告の方法等から、当該業務について使用者が労働者の勤務の状況を具体的に把握することが困難であったといえるかどうかによって判断すべきである。労務管理を行うべき者が多忙であるため労働時間を算定しがたいことは、労働者の業務の性質、内容等や、使用者と労働者との間の業務に関する指示及び報告の方法等による制約とはいえないから、当該業務について使用者が労働者の勤務の状況を具体的に把握することが困難であったといえないというべきであり、Y社の主張は採用できない

2 営業手当が50時間分の時間外労働手当の支払といえるには、時間外労働手当に当たる部分とそれ以外の部分が明確に区分されて合意がされていることを前提として、少なくとも、営業手当の額が、労基法所定の計算方法によって計算した50時間分の時間外労働手当の額を下回らないことが必要である。なぜならば、時間外労働手当に当たる部分とそれ以外の部分が明確に区分されていなければ、労基法所定の計算方法による時間外労働手当の額を計算することができないし、計算した結果、労基法所定の計算方法による時間外労働手当の額を下回っているようでは、時間外労働手当によって時間外労働を抑制しようとした労基法の趣旨を没却するのみならず、労基法に定める基準に達しない労働条件を定めたこととなり、無効となるからである

3 労働者が債務の本旨にしたがった履行の提供をしているにもかかわらず、使用者の復職可能との判断や、使用者の指定した医師による通常勤務に耐えられる旨の診断書が得られないことによって、労働者が、就労を拒絶されたり、退職とされたりするいわれはないから、「傷病が治癒し且つ通常勤務に耐えられる旨の会社が指定した医師の作成した証明書の提出を求め、復職できると会社が認めたとき」とは、傷病についての医師の診断書等によって労働者が債務の本旨にしたがった履行の提供ができると認められる場合をいい、Y社の復職可能との判断やY社指定の医師の復職可能との診断書等は要しないというべきである

4 ・・・他方、労働契約においては、当事者は、信義に従い誠実に権利を行使し、義務を履行しなければならないのであるから(労働契約法3条4項)、使用者の労務の受領拒絶により就労が不能となった後、使用者が受領拒絶をやめ、就労を命じた場合においては、労働者も自己の就労が再び可能となるよう努力すべき信義則上の義務があるというべきである。したがって、Y社が10月16日付け復職通知により、Xのために東京都内の住居を用意し、住居費用及び通勤費用の立替払を申し出て、Xが就労するために必要な準備を行う姿勢を示したことに対し、Xは、Y社が用意した前記住居に居住する義務はないものの、信義則上、Xの就労を可能とするためにY社との協議に応じる義務があったというべきである。しかし、Xは、10月16日付け復職通知を受けた後、何らY社と協議をすることなく相当期間である同月23日が経過した。そうすると、翌24日以降においては、もはや「債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったとき」(民法536条2項)とはいえないと認められるから、平成25年10月24日からの賃金請求は理由がないというべきである

5 Xは、Y社には本件退職扱い後の未払賃金の支払を履行する必要があり、その履行義務を争いつつ、本件退職扱いを撤回しても無効である旨主張するが、過去の賃金支払義務と現在の就労義務は別の法律関係であり、前者を争いつつ、後者の履行を求めることができないとする理由はないから、Xの主張は採用できない。

6 Xは、「受領拒絶の解消には、債権者が先に拒絶した履行の提供において、遅滞中の一切の効果を承認して、受領拒絶を解消して改めて受領すべき意思を表示することが必要と解されているところ、受領拒絶の効果として生じた過去の賃金の発生を認めてその履行をしなければ、受領拒絶を解消したとはいえない。」旨主張する。しかし、労働者が就労しないのに賃金請求権を失わないのは、いわゆる受領拒絶の効果ではなく、民法536条2項の効果による。したがって、就労がないとき賃金請求権が発生するかは同項の要件を満たすか否かにより決すべきであり、受領拒絶の効果を解消することは、必ずしも必要ではないというべきである(なお、受領拒絶の効果を解消するため、どのような行動が必要かは当該事案の具体的事情によるというべきであり、一義的に決められるものではない。)

超重要な裁判例です。

複数の重要論点に関する判断が含まれています。

是非、参考にしてください。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。