Author Archives: 栗田 勇

労災11(神戸屋事件)

おはようございます。

今日は早朝ウォ-キングに行く予定でしたが、昨夜から体調が悪くお休みしました

昨夜は薬を飲んで早めに寝たため、回復しました。

今日は、午前中1件打合せ、午後は接見と書面作成です。

現在、7件の刑事事件は担当しているので、接見に行くのも大変です

今日も一日がんばります!!

さて、今日は、労災に関する裁判例について見てみましょう。

神戸屋事件(平成22年3月15日・労判1010号84頁)

【事案の概要】

Y社は、パン、洋菓子等の製造販売を業とする大手食品メーカーである。

Xは、Y社東京事業所業務課物流係係長として勤務していたが、持病である気管支喘息を悪化させ、その発作により心臓停止に至り死亡した(死亡当時41歳)。

Xは、小児喘息の既往があり、一旦は寛解していたが、その後、気管支喘息を発症した。33歳頃までの喘息の病状は、週1回程度、吸入薬を使用する程度であり、発作というほどのこともなく、軽症であった。

【裁判所の判断】

川口労基署長による遺族補償給付等不支給処分は違法である。
→業務起因性肯定

【判例のポイント】

1 労働者の死亡等を業務上のものと認めるためには、業務と死亡等との間に相当因果関係が認められることが必要である。そして、労災保険制度が、労働基準法上の危険責任の法理に基づく使用者の災害補償責任を担保する制度であることからすれば、上記の相当因果関係を認めるためには、当該死亡等の結果が、当該業務に内在する危険が現実かしたものであると評価し得ることが必要である。

2 Xの死因は、本件喘息死であった。上述の理は、労働基準法施行規則35条別表第1の2第9号の「その他業務に起因することの明らかな疾病」の認定においても、当然に妥当するものである。そうすると、本件喘息死が本件会社におけるXの業務に内在する危険が現実化したものと評価できるかを、経験則及び科学的知見に照らして、検討することになる。
この検討に当たっては、Xは喘息を基礎疾患として有していたところ、喘息の増悪が、業務上の過重負荷によりその自然の経過を超えたものであったといえるかという観点から、検討を加えることになる

3 過労・ストレスが喘息の増悪因子となることを肯定する医学的見解は多数存在する一方で、これらが喘息の増悪因子となることを積極的に否定する医学的見解は存在しないのであり、過労・ストレスは、喘息の増悪因子であると認めることができる。

4 Xの本件会社での業務内容を見ると、運行管理・調整、クレーム受付・対応・調整、運送業者との折衝、配送ルートの改善策の考案、部下の教育等多岐にわたるものであり、単調、規則的な業務内容ではないことを、まず指摘しなければならない。その上、トラブル発生の際には、その解消まで居残って処理をしなければならず、その際には、自ら車で工場まで商品を取りに行ったり、直接納入先に配送しなければならないこともある等のさらなる負担が生じることもあり得るのであり、その結果として、まとまった休憩時間も確保されないで、精神的ストレスの生じ得る、かつそれに伴う肉体的な負担が大きな業務であったと評価することができる

5 さらに、認定可能なXの本件喘息死以前の6か月の法定時間外労働時間は、月に79時間32分~95時間52分、月平均87時間58分と非常に長時間である。その前の段階も、この6か月間と同様の業務形態なのであり、遅くとも東京営業所に異動になった平成10年9月以降は、恒常的に上記のような慢性的な長時間勤務を余儀なくされていたと認めるべきであり、Xの業務は、労働時間だけでも、相当程度に過重なものであったといえる

6 その上、Xの業務は、夜勤交代制勤務であり、本件喘息死前6か月をみても、ほぼ全ての勤務が深夜に及び、夜勤の割合は約半分に及んでいたことは、Xの業務の過重性を論じる上では、看過できない事情である。Xの夜勤後退制勤務は、深夜業・交代制勤務の最低の基準であるとする日本産業衛生学会基準の12項目のうち、…7項目において、逸脱する態様であった。夜勤交代制勤務は、医学的知見によれば、深夜に起きて働くことにより生理リズムを乱し、睡眠の質・量ともに不足がちになること、交代勤務による家族生活等でのズレを修正しようとする調整努力を強めてしまうこと等から、疲労を蓄積させ、呼吸器疾患等の症状を進展させる要因となる。そうすると、Xの業務は、夜勤交代勤務という観点からも、相当程度に過重なものであったというべきである
以上によれば、Xの業務は、質、量ともに、通常人にとっても過重なものであり、これが慢性的に継続していたものと評価するだけの十分な根拠があるといわなければならない。

7 …喘息の症状に影響を与えなかったとまではいえない(アレルゲン、喫煙習慣、軽度の肥満)、喘息を増悪させた可能性は否定できない(吸入ステロイドが十分ではなかったこと、短時間作用性β2刺激薬の多用)、本件喘息死の誘因となった可能性も否定することはできない(本件喘息死の4、5日前の気道感染)。しかし、Xが元来持っていた基礎疾患が、業務上の質、量ともに過重な負担により重症化し、本件喘息死に近接する過程で、業務上の負担がさらに増加して、本件喘息死に至ったという経緯に鑑みて、Xの喘息増悪から本件喘息死に至る過程での過重な業務上の負担があったことにより、Xの喘息は、その自然の経過を超えて増悪して、本件喘息死に至ったものと評価することが相当である

日本産業衛生学会基準の12項目は以下のとおりです。

1 交代勤務による週労働時間は、通常週において40時間を限度とし、その平均算出時間は2週間とする。時間外労働は、原則として禁止し、あらかじめ予測できない臨時的理由にもとづくものに限り、年間150時間程度以下とすべきである。
2 深夜業に算入する時間は、現行の22時から5時までの規定を更に拡張し、21時から6時までを

有期労働契約6(日本郵便輸送(雇止め)事件)

おはようございます。

さて、今日は、雇止めに関する裁判例を見てみましょう。

日本郵便輸送(雇止め)事件(大阪地裁平成21年12月25日・労判1004号174頁)

【事案の概要】

Y社は、郵便物および通信事業に関連する物品の運送事業を目的とする会社である。

Xは、平成7年に期間臨時社員としてY社に雇用され、以降、平成20年までの間、約13年間にわたって勤務してきた。

Y社の業務は、その大半を郵便事業会社からの受託に依存し、郵便輸送自体、業務量の確実な予測が難しいという特殊性があること等から、非正規雇用への依存によらざるを得ない状況であった。他方、期間臨時社員について、雇用契約の反復継続が多数回にわたり、必ずしも「期間臨時」とは言い難い雇用状況にあり、また、待遇の安定を求める意見が出るなど問題が生じていた。

そこで、Y社は、期間臨時社員の身分の安定・向上を目的として、期間臨時社員の正社員化に向け、期間臨時社員制度そのものを廃止し、「地域社員制度」の創設に際し、期間臨時社員の全員を原則として正社員に移行することとした。

Y社は、Xに対し、地域社員制度に応募するよう促したが、Xは、地域社員制度の条件等に不満があるから応募しないと返答した。

Xは、応募期間内に応募しなかったことから、契約期間満了により、雇用関係が終了した。

Xは、Y社の対応に不満があるとして、提訴した。

【裁判所の判断】

雇止めは有効

【判例のポイント】

1 有期期間雇用労働者に関する雇止めについては、(1)期間の定めのない契約に転化しているか、(2)雇用契約継続に対する合理的な期待が存在する場合に、期間の定めのない契約に適用される解雇権濫用法理(労働契約法16条)が類推適用されると解されるところ、XとY社におけるこれまでの期間臨時社員有期雇用契約の更新回数及びXの業務内容(大型トラックによる郵便物の輸送業務)等からすると、XとY社の有期期間雇用契約が期間の定めのない契約に転化しているとは認められないものの、Xには同契約更新に対する合理的な期待が存在していたと認めるのが相当である

2 本件地域社員制度の導入には合理性が認められること、期間臨時社員に比して地域社員のほうが退職金、各種手当等の点において優遇されていること、制度移行に際しXには応募するか否かを検討する機会が保障されていたこと、Xにはパート従業員としての雇用継続の選択肢も用意されていたことなどを総合考慮すれば、本件雇止めには客観的な合理性があり社会通念上相当である。

結論は妥当であると考えます。

有期労働契約は、雇止め、期間途中での解雇などで対応を誤ると敗訴リスクが高まります。

事前に顧問弁護士に相談の上、慎重に対応しましょう。

継続雇用制度14(JALメンテナンスサービス事件)

おはようございます。

今日は、継続雇用制度に関する裁判例を見てみましょう。

JALメンテナンスサービス事件(平成22年4月13日・判時2089号154頁)

【事案の概要】

Y社は、航空機整備用工器具類の受払、貸出及び保管に関する事業等を目的とする会社であり、「JMS」と略称されることがある。

X1は、Y社に、57歳で入社し、X2は、54歳で入社し、それぞれ羽田事業所で器材サービス部器材グル―プに所属して、上記工器具類の受払、貸出等の業務を担当していた。

Y社では、従業員は、60歳(定年)までが一般職、定年後65歳までが嘱託社員、それ以上が特別嘱託社員と扱われている。

Xらは、Y社との間で、特別嘱託雇用契約を締結した。

Y社は、Xらを、特別嘱託雇用の更新をする予定はなく、契約期間満了により終了させると通告し、雇止めをした。

Xらは、特別嘱託社員についてもXらの希望に応じて雇用契約が更新されるという労使慣行が存在する、この慣行は雇用契約の内容になっていたのであり、仮にそうでなくても、Xらは雇用契約が更新されることについて合理的期待を有していたものであり、雇止めは無効であると主張した。

【裁判所の判断】

雇止めは有効

【判例のポイント】

1 労使慣行とは、労働条件等について就業規則等の成文の規範に基づかない一般的取扱い等が長い間反復・継続して行われ、それが使用者と労働者の双方に対して事実上の行為準則として機能するものをいう。
このような取扱い等が、その反復・継続によって雇用契約の内容となっているというべき場合には、その取扱い等には労働契約の効力が認められる。

2 Y社は、平成15年から17年にかけてのころ、エイジフリーの実現等を積極的に広報して就業者の上限年齢を撤廃し(再雇用期間を67歳までに限定することを見直した)、そのころ、特別嘱託社員を増員している。
しかし、従業員には、特別嘱託社員として再雇用されなかった者や、再雇用されても67歳までに退職した者も少なくないし、特別嘱託社員数は、平成18年以降減少に転じており、現在は全社で3人にすぎない。そうだとすると、時間の長短は相対的なものではあるが、3年程度の間に生じた事実によって、ただちに「一般的取扱い等が長い間反復・継続して行われた」とまで認めることはできない

3 特別嘱託社員は、60歳定年後さらに5年経過後の、原則として6か月間の有期雇用契約にすぎず、従業員には特別嘱託社員として再雇用されない者もあり、されたとしても67歳に達する前に退職した者も少なくない。
このような事実によれば、上記期待は、Xらの主観的なものにすぎず、Y社に契約更新(ないし新たな再雇用契約の締結)を事実上義務付けるような強い効果を有するものとは認められない。

この事案は、労使慣行に関する裁判例として区分すべきでしょうが、継続雇用制度のグループに入れておきます。

この裁判例では、労使慣行の存否について、上記判例のポイント1のように定義づけました。

菅野先生の基本書を参考にしたものと思われます。

労使慣行は、そう簡単には認められません。

実際の対応は、顧問弁護士に相談をしながら慎重に進めましょう。

労災10(大正製薬事件)

おはようございます。

今日は、午前中は刑事裁判1件と打合せ数件。

午後は、東京で弁護団会議があります

なんかおいしいものでも食べてこようかな。

そんな時間はないか・・・。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は、労災に関する裁判例を見てみましょう。

大正製薬事件(福岡地裁平成22年2月17日・労判1009号82頁)

【事案の概要】

Y社は、医薬品製造ならびに販売業を営む会社である。

Xは、Y社入社後、Y社福岡支店営業部のナショナル部(全国展開している大手スーパーやドラッグストアなどの取引先を担当する部署)に配属され、九州各県(鹿児島県を除く)所在のスーパー等の約30店舗を訪問する業務に従事していた。

Xは、出張中の宿泊先であるホテルにおいて脳内出血により死亡した(死亡当時42歳)。

Xは、C型慢性肝炎を患っており、インターフェロン治療を受けたものの完治せず、以後死亡するまで、外来で診療を継続した。しかし、Xが発症したC型肝炎は、肝硬変ではなく、出血傾向や他の合併症はなく、日常生活に支障のないものであった。

また、Xは、細菌性髄膜炎と診断され、入院治療をしたことがある。Xが退院した際、出血傾向はなかった。なお、入院中、Xに対して血液検査、頭部CT検査、MRI検査や血圧の測定等が行われたが、特段の指摘がされた事実はない。

【裁判所の判断】

福岡労基署長による遺族補償給付等不支給処分は違法である。
→業務起因性肯定

【判例のポイント】

1 「業務上死亡した場合」とは、労働者が業務に起因して死亡した場合をいい、当該業務と当該死亡との間に相当因果関係があることが必要であると解される。
また、労働基準法及び労災保険法による労働者災害補償制度は、業務に内在ないし随伴する各種の危険が現実化して労働者に傷病等をもたらした場合に、使用者等に過失がなくとも、その危険を負担して損失の填補の責任を負わせるべきであるとする危険責任の法理に基づくものであるから、上記相当因果関係の有無は、当該傷病等が当該業務に内在又は随伴する危険が現実化したものと評価し得るか否かによって決せられるべきである

2 そして、脳血管罹患発症の基礎となり得る素因又は疾病を有していた労働者が、脳血管疾患を発症する場合、様々な要因が上記素因等に作用してこれを悪化させ、発症に至るという経過をたどるものであるから、その素因等の程度及び他の危険因子との関係を踏まえ、医学的知見に照らし、業務による過重な負荷が上記素因等を自然の経過を超えて増悪させ、疾病を発病させたと認められる場合には、その増悪は当該業務に内在する危険が現実化したものとして業務との相当因果関係を肯定するのが相当である

3 被告が依拠する新認定基準は、発症前1か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まると評価でき、発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6カ月にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できるとされている

4 Xの時間外労働時間は、年末年始の長期休暇を含む発症6か月前の1か月間以外は、45時間を大幅に超え、発症前1か月間は100時間をわずかに下回る程度であり、さらに、発症6か月前の1か月間及び発症5か月前の1か月間を除く4か月間の平均が84時間40分、更にゴールデンウィーク及び細菌性髄膜炎による長期休暇がなければ、発症前6か月間の平均が80時間を超えるものとなっていたであろうことは容易に推認することができる。
したがって、Xの時間外労働時間は、新認定基準に照らしても、この基準を超えているか、これに極めて近いものとなっているというべきであり、Xの業務は、労働時間の点だけみても、精神的・肉体的に負荷の大きいものであったといえる

5 一般に出張業務、特に遠方への出張は、長距離・長時間の移動を伴うため拘束時間も長く、特に、自ら自動車を運転して高速道路等を走行する場合には、相当程度の精神的緊張を強いられるものであり、また、宿泊を伴う出張業務の場合には、生活環境や生活リズムの変化等、自宅での就寝と比較して疲労の回復が十分にできず、疲労が蓄積する可能性が高い

6 Xは、危険因子である高血圧症が進行し、本件疾病発症当時に脳血管疾患を発症する可能性が一定程度認められる状態にあったと考えられるものの、Xの有していた素因等が、本件疾病当時、他の確たる発症因子がなくてもその自然の経過によって一過性の血圧上昇があれば直ちに脳血管疾患を発症させる程度にまで増悪していたとみることは困難である。

有期労働契約5(東京都自動車整備振興会(嘱託職員)事件)

おはようございます。

さて、今日は、有期雇用契約における期間途中での解雇に関する裁判例を見てみましょう。

東京都自動車整備振興会(嘱託職員)事件(東京高裁平成21年11月18日・労判1005号82頁)

【事案の概要】

Y社は、国土交通省関東運輸局管轄の公益社団法人であり、道路運送車両法により、自動車の整備に関する設備の改善及び技術の向上を促進し、並びに自動車の整備事業の業務の適正な運営を確保するとの趣旨の下に、意見の公表等を行うこと、必要な調査研究等を行うこと等を事業目的とすることが法定されている。

Xは、Y社との間で、嘱託雇用契約書により雇用契約を締結し、専任講師として勤務してきた(期間1年。更新可)。

Y社の就業規則上、正職員には60歳定年制度が導入されているのに対し、1年間の嘱託雇用期間を、65歳まで更新していく者が多かった。

Xは、定年に達するまでに、17回にわたり契約更新をしてきた。

Y社は、Xに対し、Xが満60歳に達し、雇用契約が終了する旨の通知を交付すると同時に、再雇用嘱託契約書(雇用期間1年。65歳まで更新可)を提示した。

Xは、本件雇用契約では、Xが65歳まで勤務することが条件とされていたのであるから、契約終了には納得できない、今後も退職せず勤務を続けていく旨の意思表示をした。

【裁判所の判断】

1 本件雇用契約終了は、契約期間内の解雇にほかならない

2 本件解雇は有効

【判例のポイント】

1 Y社が、満60歳到達日での契約終了を通知したことにつき、本件雇用契約終了は契約期間内の解雇にほかならない。

2 本件解雇事由の存否につき、Y社は、改正高年雇用安定法の施行に伴って、正社員については、60歳での雇用契約終了とその後再雇用契約締結の制度を導入し、経済的事情から再雇用契約の給与額上限を従前の額を問わず月額25万円としたものであり、組織内の均衡を保つために、Xとの本件雇用契約(給与月額35万円)についても、上記上限額での再雇用契約締結を前提に、契約終了の告知をしたのであって、Y社には事業運営上やむを得ない事情があったといえ、本件解雇が客観的合理性あるいは社会的相当性を欠くとは認められない

裁判所の判断は妥当であると考えます。

第一審(東京地裁平成21年1月26日)では、解雇無効と判断されています。

高裁は、最後に以下のとおり判断しています。

「以上のとおりであって、Xの請求はいずれも理由がない。Xは、前記認定の社会経済情勢の変化等の諸制約をみないまま、公益法人であるY社組織全体の今後の在り方を度外視して、法的には本来1年の雇用期間でしかない契約であるにもかかわらず65歳まで継続勤務できる権利があるなどと強弁し、併せてY社の置かれた経済事情を踏まえれば証拠上合理性の認められないことが明らかな高額な給与を要求するという主張に終始して本件紛争を継続してきたものというほかなく、その方針は紛争の合理的解決から著しく外れるものといわなければならない。」

・・・なんか怒ってます?

有期労働契約は、雇止め、期間途中での解雇などで対応を誤ると敗訴リスクが高まります。

事前に顧問弁護士に相談の上、慎重に対応しましょう。

守秘義務・内部告発4(Yタクシー会社(雇止め)事件)

おはようございます。

さて、今日は、内部告発に関する裁判例を見てみましょう。

Yタクシー会社(雇止め)事件(京都地裁平成19年10月30日・労判955号47頁)

【事案の概要】

Y社は、タクシー会社である。

Xは、Y社に入社し、Y社のA営業所に勤務していた。

XとY社は、嘱託労働契約書をもって、契約期間を1年間とする有期雇用契約を締結した。

Xは、Y社労働組合A支部からA営業所内における従業員およびA営業所所長の白タク営業、メーターの不正操作、営業日誌ねつ造等の疑惑がある旨記載されている文書を入手し、労働組合全支部長、Y社代表へ、真相解明および問題の解決を求める書面を作成し、送付した。

その後、Xは、警察署に対し、白タク行為を把握した旨申告した。

組合は、Xが問題として指摘した点については、問題解決に向け、支部労使会を開催することで対処する旨が決定されていたのに、制裁処分として、Xに対し戒告および罰金を課した。

所長は、Xに対し、雇止めにする旨を通告した。

この際、所長は、有期労働契約の期間が経過したという理由を述べただけで、なぜ更新しないのかについては理由を説明しなかった。

Xは、雇止めは無効であるとして、地位保全等仮処分を申し立てた。

【裁判所の判断】

雇止めは、無効であり、地位保全および賃金仮処分の必要性を認めた。

【判例のポイント】

1 Y社就業規則には、組合によって制裁を受けた者を再雇用しない旨が規定されているが、こうした規定に基づいて使用者が組合に対して雇止めをすべき義務負うのは、組合による処分が有効な場合に限られ、当該処分が無効と解される場合には使用者は雇止めをすべき義務を負わない。

2 使用者が労働組合に対する義務の履行として行う雇止めは、雇止めの義務が発生している場合に限り、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当なものとして是認できるのであって、処分が無効な場合には、他に解雇の合理性を基礎づける特段の事情がない限り、解雇権の濫用として無効であり、このことは、Y社就業規則が、所定の基準に該当している場合であっても、状況に応じては再雇用をする場合がある旨規定していることからも明らかである。

3 公益通報者保護法が制定された趣旨にかんがみても、Xの行動は組合による処分に相当するものとは評価すべきではなく、ユニオン当該行動が、組合が告発等をしない方向性を打ち出している状況の下で告発等をしたという意味で、形式的には権限を越えて行動した場合に該当するとはいえても、本件統制処分は、もともとの問題行動への関与者を処分せずに、これを指摘したXのみを処分するものとして不平等であり、著しく裁量を濫用したものとして無効といわざるを得ない。

本来は、有期雇用における雇止めの問題です。

この裁判例は、内部告発に関する問題以外にも、たくさんの重要な問題が含まれています。

上記判例のポイント2は、重要です。

この点は、ユニオンショップ協定に基づく解雇の効力に関する日本食塩製造事件(最高裁昭和50年4月25日・労判227号32頁)と同様の判断です。

なお、ユニオンショップとは、使用者が労働協約において自己の雇用する労働者のうち当該労働組合に加入しない者、および当該労働組合の組合員ではなくなった者を解雇する義務を負う制度です。

その他、使用者が、雇止めの意思表示の際に明示していなかった理由を訴訟上主張することは許されるが、雇止めが懲戒解雇事由の存在を根拠として、実質的に懲戒解雇の趣旨でなされた場合においては、懲戒解雇事由以外の普通解雇事由に該当するにすぎないような解雇理由を主張することは許されない、という点も参考になります。

この点は、山口観光事件(最一小判平成8年9月26日・労判708号31頁)と同様の判断です。

同事件は、懲戒当時に使用者が認識していなかった非違行為は、その存在をもって当該懲戒の有効性を根拠づけることはできないと判断したものです。

懲戒解雇をはじめとする懲戒処分を行う際は、必ず事前に顧問弁護士に相談をすることを習慣にしましょう。

労災9(日本電気事件)

おはようございます。

今日も書面を作成します。

最後の追い込みです!!

がんばります!!

さて、今日は労災に関する裁判例を見てみましょう。

日本電気事件(東京地裁平成22年3月11日・労判1007号83頁)

【事案の概要】

Y社は、コンピュータ、通信機器、電子デバイス、ソフトウエアなどの製造販売を含むインターネット・ソリューション事業を主要な事業とする会社である。

Xは、Y社においてミドルウェア事業部第2技術部の部長等の地位にあったが、経営危機により事業の収益性が厳しく追求されるようになる中で、うつ病を発症し自殺した(死亡当時52歳)。

【裁判所の判断】

三田労基署長による遺族補償給不支給処分は違法である。
→業務起因性肯定

【判例のポイント】

1 労働者の精神障害の発病等について業務起因性の有無を判断するに当たっても同様に解することになるところ、精神障害の発病については、環境からくるストレス(心理的負荷)と個体側の反応性、脆弱性との関係で精神的破綻が生じるかどうかが決まるという「ストレス-脆弱性」理論が広く受け入れられていることが認められることからすると、業務と精神障害の発病との間の相当因果関係、すなわち、ストレス(これには業務による心理的負荷と業務以外の心理的負荷がある。)と個体側の反応性、脆弱性を総合考慮して、業務による心理的負荷が、社会通念上、客観的にみて、精神障害を発病させる程度に過度であるといえるかどうかを検討し、その過重性が認められる場合には、業務に内在又は随伴する危険が現実化したものとして、当該精神障害の業務起因性を肯定するのが相当である。

2 上記の危険責任の法理にかんがみれば、業務の危険性の判断は、当該労働者と同種の平均的な労働者を基準とすべきであり、このような意味での平均的労働者にとって、当該労働者の置かれた具体的状況における業務による心理的負荷が上記内容の危険性を有しているということができ、業務以外の心理的負荷及び個体側の要因がない場合には、当該労働者の精神障害の発病等について業務起因性を肯定することができるというべきである。

3 Xは、責任者として事業を遂行するうえで強い心理的負荷を受けていたうえ、それ自体がうつ病発症原因となるおそれがある極度の長時間にわたる時間外労働を行っていたことも認められることからすると、Xの業務による心理的負荷は、社会通念上、客観的にみて、精神障害を発症させる程度に過重であったというのが相当である。

4 Xのうつ病発症および自殺に至る一連の過程は、業務に内在する危険が現実化したものというべきであり、Xの自殺には業務起因性が認められる。

競業避止義務10(消防試験協会事件)

おはようございます。

さて、今日は、競業避止義務に関する裁判例を見てみましょう。

消防試験協会事件(東京地裁平成15年10月17日・労経速報1861号14頁)

【事案の概要】

Y社は、消防用設備等の試験検査等を目的とする会社である。

Xは、Y社に入社し、10年程勤務し、自己都合で退社した。

Y社の就業規則には、競業避止義務(退職後2年間)、機密保持義務に関する規定がある。

また、Xは、Y社に対し、退職直後に、誓約書を提出している。

誓約書の内容は、退職後5年間の競業避止義務が記載されている。

Xは、Y社退職後、約1ヶ月後に、A社を設立し、A社の取締役となった。

A社は、建物の消火設備についてのコンサルタント業務等を目的とする会社である。

Y社は、X及びA社に対し、第一時的には債務不履行、第二次的には、共同不法行為による損害賠償及び競業行為の差止めを求めた。

【裁判所の判断】

本件競業避止義務に関する合意は、公序良俗に反し無効である。

【判例のポイント】

1 本件特約は、退職後のXに対し、事後の職業選択の自由を制約する内容のものである。これに対し、Xにとっては本件特約の見返りとなるものは何もない。そうすると、本件特約は、既に退職したXに対し、Y社が新たに一方的な義務をおわせるものにほかならないところ、本件において、Xが上記のような内容の本件誓約書を真実その自由意思に基づいて作成したとみられるような状況はなく、かえって、Y社が退職金請求に必要な書類等を交付する条件と精神に照らすと、そのようにして作成された本件誓約書に法的効力を認めることはできないと解するのが相当である
したがって、本件誓約書を根拠にXが原告に対し、競業避止義務を負うということはできない。

2 就業規則改訂による退職後2年間の競業避止条項新設につき、改訂およびその内容をXを含む従業員らに示して同意を得たことを認める証拠はなく、それが合理的なものと評価しうる事情の必要を肯定できる事実関係は認められない。

3 契約に基づく競業避止義務が否定される場合であっても、社会通念上相当とされる自由競争の枠を超え、不正な手段・方法・態様等によって競業を行うなどし、同業他社の営業活動その他の権利を侵害ないし妨害した場合は、その行為者に不法行為が成立する余地がある。しかし、Xらの行為は、自由競争社会において当然容認される経済活動の範囲を逸脱するものとはいえず、その他本件において、Xらに違法な行為があったことを認めるに足りる証拠はない。

退職金の支払いと誓約書の支払いがリンクしていて、会社から「誓約書を出してもらえないなら退職金を支払わない」という形になっている場合には無効になる可能性があるということです。

会社としては、注意しなければいけません。

なお、退職金制度に、競業の場合に減額、あるいは不支給にするという制度を設けておくことで、実質的に退職後の競業避止を抑止する効果を得ることができます。

具体的な制度設計については顧問弁護士に相談しながら検討しましょう。

守秘義務・内部告発3(骨髄移植推進財団事件)

おはようございます。

さて、今日は、内部告発に関する裁判例を見てみましょう。

骨髄移植推進財団事件(東京地裁平成21年6月12日・労判991号64頁)

【事案の概要】

Y財団は、骨髄移植の仲介事業を行い、骨髄移植を推進するために設立許可を受けた財団である。

Xは、Y財団の総務部長の地位にあり、事務局長を補佐し事務局の運営を統括する立場にあった。

Xは、Y財団代表者である理事長に対し、A常務理事のパワハラ、セクハラとも言える言動により、体調を崩したり退職を考慮する職員も出てきており、事務局運営に障害が発生しないよう早急に改善措置を講ずることを要望するなどと記載された報告書を提出した。

その後、Y財団はXに対し、総務部長の職を解き、システム改善担当参事に異動を命じる(本件降格人事)旨の内示を行った。

この内示に納得ができなかったXは、理事長に再考を促し面談を求めるファックスを送信し、Y財団の常務理事らにも人事異動の凍結を求める要請をするなどし、Xの支持者である職員やボランティア団体の幹部らも、Y財団や厚労省幹部に人事異動の凍結を求める働きかけをした。また、新聞に「骨髄バンク”迷走”」、「骨髄バンクセクハラ 厚労省に調査要請へ」といった見出しの記事が掲載された。

その後、Y財団では、内部調査委員会及び外部調査委員会による調査を経て、セクハラ、パワハラに当たる事実があったとは認められないとの結果を発表した。

Y財団は、Xに対して諭旨解雇を通告し、Xが自主退職に応じなかったため、Xを解雇した。

解雇理由は、(1)報告書の報告内容に事実に反する虚偽の部分があると判断されたこと、および報告書が内部告発文書の枠を超えて、個人に対する誹謗中傷文書ともいえる内容となっていること、(2)報告書について十分な情報管理が行われず、結果的には新聞報道にも発展して、財団の社会的信用を著しく損なわせるととともに財団内部に混乱をもたらし、財団の運営に重大な支障を生じさせたこと、(3)人事の内示を外部に漏らして人事凍結の働きかけを行ったこと、業務懈怠により財団の信用を損なったこと、上司の指示に従わず、会議の場で暴言を吐いたことである。

Xは、本件解雇の不当性を主張し、提訴した。

【裁判所の判断】

懲戒解雇は無効。

【判例のポイント】

1 Y財団において、A常務理事の不適切な言動について改善措置を求める旨の報告書を作成し理事長に提出したXのに対し、総務部長解任の後、懲戒処分としての諭旨解雇がなされた件につき、常務理事に、真実、パワハラ、セクハラとも解される問題行動があるのであれば、これをY財団の理事長に伝え是正を図ること自体は、総務部長の職責というべきものであり、かえってこれを認識しながら放置し、適切な措置をとることを阻害した場合には、そのことが総務部長の任務懈怠として問責されることもありうる。

2 本件報告書提出は内部告発そのものではないが、Xが総務部長の職責として報告をした場合であっても、事実でない事柄を、不当な目的で、不相応な方法で行うものであれば、違法なものとなり懲戒事由ともなりうるから、本件においては、X主張の内部告発の適法性の判断要素(1)内部告発の真実性、2)目的の正当性、3)手段・方法の相当性)から検討するのが相当である。

3 内部告発の真実性については、本件報告書のような文書を提出する場合には、慎重な配慮が必要ではあるものの、その内容中に客観的事実と一致していない部分があるとしても、それゆえに当該報告書提出が直ちに違法であって懲戒事由に該当するということはできないとして検討がなされ、報告書は、基本的に真実性のある文書と評価できる。

4 目的の正当性、手段・方法の相当性についても違法性は認められず、Xによる本件報告書提出は、懲戒事由に該当しない。

5 報告書に記載された内容は、パワハラやセクハラに関するものであり、とりわけセクハラに関する情報はプライバシーに深く関わる情報であって、細心の注意を払う必要のあるものといえるところ、Xはかかる情報を収集し管理する総務部長として、当該情報の外部漏出がないようにすることはもちろん、Y財団内部においても、必要な範囲に当該情報が保持されるように努める義務(情報管理義務)を負っていた。

6 Xにおいては、上記情報管理義務に基づいて、報告書記載の情報が、本来、保持されるべき範囲内にとどまるように慎重な配慮をすることが求められていたところ、その具体的な情報管理の方法としては、単に報告書の写しを第三者に交付しなければよいというものではなく、第三者に報告書の写しを閲読をさせたり、その内容を口頭で告げたりすることも、当該義務に違反した行為となる。

7 本件事実に照らすと、Xは上記義務に反して、本来、情報を保持すべきでない多数の者に報告書記載の情報を伝達していたといわざるを得ず、また、少なくともXの情報管理の不十分さによって本件各新聞報道に至ったものといえ、この点につきXには懲戒事由に該当須する事実が認められるが、他方、Y財団は、基本的に真実性のある報告書を無視し、的確な調査を行わないまま、Xに対し降格人事を行おうとしたのであり、XがY財団への対抗措置として外部への働きかけを強めていった結果、当該各報道に至ったともいえ、Xの本件情報管理義務違反およびそれによるY財団内部の混乱等については、Y財団にも責任の一端はあり、これらを総合考慮すれば、Xの情報管理義務違反を理由として本件解雇をすることは重きに失する

内部告発そのものではないですが、同様の判断基準に基づき判断されています。

内部告発の正当性が認められ、懲戒解雇は無効となりました。

会社としては、参考にすべき点が非常に多いと思います。

日頃から顧問弁護士に相談をしながら、1つ1つ慎重に対応することが大切ですね。

競業避止義務9(プロジェクトマネジメント事件)

おはようございます。

さて、今日は、競業避止義務に関する裁判例を見てみましょう。

プロジェクトマネジメント事件(東京地裁平成18年5月24日・判タ1229号256頁)

【事案の概要】

Y社は、企業、団体、個人に対してプロジェクトマネジメント(PM)に関する講座を提供することを主な業務とする会社である。

Xは、Y社に入社し、PM研修の講師と顧客に対する営業活動に従事していたが、その後、退職した。

Xは、Y社入社にあたり、雇用契約書を取り交わした。

雇用契約書には、秘密保持義務、競業禁止等が記載されている。

Xは、Y社退職時、競業禁止について約束したことを暗黙の前提にしながら、「わたしも生きていかなくちゃいけないので。」と述べ、Y社と競業する仕事に就くこともありうることを臭わす発言をした。

そこで、Y社は、Xに対し、Y社におけるPMの教育業務に関する教材及びその電子データの全部又は一部を第三者に開示及び提供してはならないこと、雇用契約に記載されている競業禁止の合意に基づき、退社から2年間、PMの教育業務及びコンサルティング業務に関する自己又は第三者の営業又は勧誘のために、Y社の顧客に対し接触してはならない、自ら又は第三者のためにPMの教育業務及びコンサルティング業務をしてはならないなどの仮の差止めを求めた。

Xは、競業禁止合意が公序良俗に違反し無効である等と主張し争った。

【裁判所の判断】

本件の競業禁止に関する合意は公序良俗に違反せず有効である。

【判例のポイント】

1 会社が、労働者を雇用するに際し、、比較的高度な情報に接する部署に勤務させる労働者との間で、退職後の競業を禁止する旨の合意をすることは世上よく見られる出来事である。このような競業禁止条項を締結する目的は、当該労働者が退職後に会社の顧客を奪うことを防止する点に狙いがあり、利益を追求することを目的とする会社にとっては、必要な防衛手段といえよう。しかし、競業禁止条項を設けることは、労働者の職業選択の自由を奪うことにつながることから、競業禁止条項を無制限に認めることはできず、無制限に認める競業禁止条項は、公序良俗に反し無効というべきである。結局、競業禁止条項が合理的な内容であれば、その範囲内でかかる条項の内容は有効と考えるのが相当であり、また、合理的内容であるか否かを判断するに当たっては、(1)競業禁止条項制定の目的、(2)労働者の従前の地位、(3)競業禁止の期間、地域、職種、(4)競業禁止に対する代償措置等を総合的に考慮し、労働者の職業選択の自由を不当に制約する結果となっているかどうか等に照らし判断するのが相当と考える。

2 競業禁止条項制定の目的は、Y社の教材等の内容やノウハウを保持し、他の競業業者の手に渡らないようにすることにあり、正当な目的であると評価できる。

3 XはY社入社前にはPMの教育業務及びコンサルティング業務に従事した経験がなく、また、当該業務のノウハウを持っておらず、退職後2年間Y社において身につけたPMの前記業務を行うことを制限することには合理的理由があり、Xの職業選択の自由を不当に制限す結果になっているとまでは言い難い。

4 競業禁止期間はY社退職後2年間であり、同業他社も同様の規定を設けており、期間が長期間でXに酷に過ぎるとまでは言い難い。

5 営業・勧誘活動を行ってはならない対象となる顧客は、これまでY社の研修を受けるなど既に取引関係が形成されている会社を指し、そうだとすると、対象範囲が余りに広すぎるとはいえない。

6 XがY社から支給された報酬の一部には退職後の競業禁止に対する代償も含まれているといえる。

本件は、競業の差止めを認める珍しいケースです。

具体的な代償措置は講じられていませんでしたが、Xの給料が約1500万円と高額であったため、その中に代償措置分も含まれていると解釈されています。

判決理由を読むと、差止めが認められた理由がよくわかります。

訴訟の是非を含め、日頃から顧問弁護士に相談しながら対応することが大切です。