解雇179(コンチネンタル・オートモーティブ事件)

おはようございます。

今日は、休職期間満了時に復職可能であったと判断できないとして賃金の仮払いが認められなかった裁判例を見てみましょう。

コンチネンタル・オートモーティブ事件(横浜地裁平成27年1月14日・労経速2244号3頁)

【事案の概要】

本件は、XがY社に対し、休職事由が消滅したにもかかわらず、休職事由が消滅していないとして休職期間満了による退職の扱いをしているのは不当として、未だXはY社との間で労働契約が継続していることを前提に、賃金の仮払いを求めた事案である。

【裁判所の判断】

申立て却下

【判例のポイント】

1 Y社は、復職が可能という主治医の診断書は、Xの強い意向に従って作成されたものであるから全く信用できないと主張している。
確かに主治医の平成26年10月27日から通常勤務に問題がない旨の診断書は、Y社からXに対し、休職期間満了の通知が届き、「焦って目が覚めたと言ってきて、会社に戻りたい、頑張ろうと思う」との話があったため、希望どおりに書いたというものである。これは、医学的に軽快したということが理由になっているのではなく、Xの強い意向によることが理由と考えざるを得ない。そうすると、Y社からXに宛てて出された平成26年10月10日付けで送付された休職期間が満了して退職となる旨の通知をXが受領する以前に示された診断書が、前記認定した主治医がY社代理人に述べたXに関する病状とも整合しており、医学的にみたXの病状を示しているといえる
すると、Xについては、平成26年10月29日の休職期間満了時に復職可能であったと判断することはできず、就業規則第49条第1項に該当するとは認められない。したがって、被保全権利の存在は疎明されていない。

2 Xは、平成26年10月末の時点で預金を26万ほどしか有していなかったとしても、その後、Xは、1年6か月は受給できる傷病手当金の受給申請を行い、月25万円を超える傷病手当金を受給し、今後も受給できる状況である。・・・Xについて、賃金の仮払いを受けなければ生活が困窮し、回復し難い損害を被るおそれがあるとは疎明されないので、保全の必要性は疎明されていない

3 以上からすると、被保全権利の存在及び保全の必要性いずれについても疎明がされているとはいえないから、本件申立ては却下することとする。

休職期間満了時の対応は、簡単ではありません。

労使ともに、留意すべき点が多々あります。

複数の裁判例から実務におけるヒントを拾い出し、応用することが求められます。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。