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【会社清算⑲】特別清算と破産手続のどちらが適切?

特別清算に適した事案と破産手続に適した事案を教えて下さい。

1 破産手続による信用低下を回避したい事情の有無

事業を完全に廃止して清算してしまう場合であれば信用低下への配慮はそれほど必要ないでしょうが、事業譲渡等により事業そのものは存続させる場合や、グループ会社の一部を清算する場合等には、破産に伴う信用低下を回避するために、特別清算の活用が有効であることがあります。

このため、特別清算は、再建手続の一環として事業譲渡を行い、残った譲渡会社を清算する場合や、親会社が債務超過の子会社を清算する場合等に比較的多く活用されています。

2 利用できる債務者

特別清算を利用できるのは清算株式会社に限られます。

これに対して、破産手続には、手続を利用できる債務者の範囲について法律上の制限がありません。

よって、病院(個人病院、医療法人)や学校法人等が清算型の法的手続を利用しようという場合には、破産手続を選択することとなります。

3 解散決議の容易性、株主数

特別清算は、解散して会社法による清算手続中の株式会社について行われます。

会社を解散するためには、株主総会を開催して解散決議を経る必要があるところ、解散決議は特別決議による必要があります。

したがって、特別清算は、株主が少数であり、全ての株主の同意を得て株主全員出席総会が開催できる等、容易に解散決議を行うことができる株式会社が適しているといえます。

4 債権の存否・額に争いがある場合

特別清算には債権確定手続が置かれていないことから、債権の存否又は額に争いがある場合でも手続内に解決手段がありません。

そのため、そのような場合には、債権者と交渉して双方の認識を合致させるか、通常訴訟により確定する必要があります。

しかし、これでは、債権の確定に時間が掛かるおそれがあるばかりか、そのような債権者から協定案に同意を得ることは困難とえるでしょう。

したがって、債権の存否・額に争いがある場合は、特別清算よりも破産手続の方が適しているといえます。

5 否認対象行為がある場合

特別清算には、破産における否認の制度がありません。

したがって、否認対象行為が存在する場合には、特別清算には適さず、破産手続開始の申立てを検討すべきことになります。

6 債権者の協力見込み、債権者数

特別清算の進め方には、議決権総額の3分の2以上の債権者の同意を得て協定を可決させる方法(協定型)と、債権者全員との和解を行う方法(和解型)があります。

したがって、少なくとも議決権総額の3分の1以上の債権者からの反対が見込まれる場合には特別清算は適さないことになります。

また、協定成立のための同意を集める時間、費用、労力を考えると、債権者の数が少ない方が特別清算に適しているといえます。


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