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【京都地判平成27年3月9日】母親を亡くし結婚を意識していた19歳男子大学生の死亡逸失利益算定で40歳以降の生活費控除を40%認定

1 過積載とXの死亡との相当因果関係について

加害車両の総重量は7990㎏、最大積載量は2400㎏であること、本件事故当時、加害車両には最大積載量の3.4倍を超える8165㎏の積荷が乗せられていたことが認められ、被告Aの体重は約60㎏と推定されるところ、過積載でなかった場合の加害車両の推定質量は1万0450㎏であるのに対し、過積載であった本件事故当時の加害車両の質量は1万6215㎏であり、過積載でなかった場合の1.55倍の質量を有していたことが認められる。

衝突により受ける衝撃は質量に比例するところ、本件事故によりXには、過積載でなかった場合に比べて1.55倍の衝撃が加わったとみることができる。

そして、Xは、本件事故により過積載でなかった場合の1.55倍の衝撃を受けてなお、胸部に明らかな多発肋骨骨折は認められず、腹部に明らかな骨盤骨折は認められず、即死状態にはなかったことが認められ、過積載でなければ、実際より肝損傷や肺挫傷が軽度にとどまり、外科的に止血が可能となり、死を回避できた可能性を否定できない

そうすると、過積載と本件事故によるXの死亡との間には相当因果関係が認められるというべきである。

2 生活費控除率について

Xは、母親を亡くし、父親である原告と祖父母であるXの両親の4人で暮らしていたこと、本件事故当時から、Xは結婚を意識していたこと、原告は昭和37年4月生まれで、本件事故当時49歳であり、G職員として稼働していることが認められる。

これらの事実によれば、Xが40歳に達した時点で、原告は70歳であり、それまでにXは結婚し、Xを扶養する立場となっている蓋然性が高いということができるから、生活費控除率は、Xが40歳に達するまでは50%、それ以後は40%とみるのが相当である。

3 死亡慰謝料について

本件事故態様が専ら被告Aの過失によるものであること、本件事故当時、加害車両には最大積載量の3.4倍を超える積荷が乗せられていた上、被告Aは加害車両に最大積載量を偽るステッカーを貼るなど、過積載の態様も悪質であること、本件事故によるXの身体的苦痛は耐え難いものであったと窺わせる上、本件事故当時19歳と若く、一瞬にして将来を奪われたXの無念は計り知れないこと、原告についても、男手1つでXを育み、成人間近となって1人息子を失った悲しみは耐え難いものと窺わせること、そのほか証拠に現れた一切の事情に鑑み、Xの慰謝料と原告固有の慰謝料を合わせた死亡慰謝料として、2800万円を認めるのが相当である。


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