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【仙台地判平成26年10月15日】1年前の事故による腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症と素因減額

原告は、本件事故の約1年前に前件事故に遭い、その後の通院中に、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症を含む疾患の診断を受け、右手のしびれや腰痛、右大腿部からふくらはぎにかけての重苦感を訴えて約7か月間通院したこと、A医師は、原告の本件事故後の症状について、本件事故前から後縦靱帯骨化症及び脊柱管狭窄症があった箇所に本件事故での過度の頸椎の動きによるストレスが加わって発生又は悪化したとの判断をしていること、B医師も、原告が本件事故前から脊髄症(後縦靱帯骨化症)と腰部脊柱管狭窄症、ヘルニアがあったため、原告の本件事故後の症状のどれが本件事故に起因するかの判断が難しいという意見を有していることを総合すると、原告が本件事故前から有していた疾患である、頸椎後縦靱帯骨化症、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症は、本件事故で原告の身体に加わった衝撃と共に、本件事故後の症状の原因となったものといわざるを得ない。

そうすると、被告が賠償すべき本件事故による原告の損害の額を定めるに当たっては、民法722条2項の規定を類推適用して、原告が本件事故前から有していた上記各疾患を斟酌するのが相当である。

そして、①本件事故後に原告の身体に現れた痛みやしびれ等の症状がそれ以前と比較して著しく深刻なものとなったことは明らかであり、本件事故による衝撃がその後の諸症状の発生又は悪化の直接的な契機となったと認められること、②A医師及びB医師の各判断に照らすと、本件事故前からの上記各疾患は、本件事故後の原告の諸症状が現れた根本的な原因となっていると考えられること、③原告が本件事故後に2度にわたり入院の上で手術を受けたことが本件における治療費の高額化につながっていると認められるところ、これらの手術は原告の本件事故前からの上記各疾患の治療であるというべきであることなどの諸事情を総合考慮すると、原告が本件事故後に身体に痛みやしびれ等の症状が発生又は悪化し入通院や休業などを余儀なくされて損害を被ったことについて被告が賠償すべき範囲は、損害額発生の6割とするのが相当である。


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