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【千葉地判平成25年1月28日】会社役員の休業損害、通院のためのタクシー利用の適否

1 休業損害について

➀原告(男・症状固定時43歳)は、本件事故当時、E社の取締役であり、同社の営業も担当していたこと、➁原告に支給された月例給与の支給金額から社会保険料と所得税を控除した金額は、平成19年3月分(稼働日数20日)、同年4月分(稼働日数23日)、同年5月分(稼働日数4日)のいずれも82万4130円であったこと、➂平成20年1月にはE社からK株式会社に部長として移籍したが、移籍の前後で給与条件に変化はなかったこと、…➄原告の欠勤については、本件事故直後の時期の欠勤9日を除き、欠勤日数1日につき給与の差引支給額の約1日分(2万7471円)、早退日数1日につきその半額が減額されていたことがそれぞれ認められる。

上記の認定事実によれば、原告はE社で営業を担当し、欠勤1日につき給与の差引支給額の約1日分が減額され、K社にも部長として移籍しているのであるから、原告がE社の創業者の一人であること等を考慮しても、E社における原告の給与は、その全額が労務の対価であると認めるのが相当である

そして、症状固定するまでの休業(欠勤、有給休暇、半休、早退)は、いずれも本件事故による傷害の通院治療又は療養のためになされたものと考えられ、休業損害としては、有給休暇(14日)及び給与減額の対象となった欠勤(65日)については一日につき2万7471円、半休(34日)及び早退(20日)については1日につき上記の半額を認めるのが相当であるから、休業損害として291万1926円を認める。

2 通院のためのタクシー利用の適否について

原告は、電車に乗ると吐き気を感じることが多かったためタクシーで通院する必要があったと主張し、その旨供述するが、原告は、タクシーに乗っていても吐き気を感じることが多かったと供述しているから、タクシー利用が吐き気の発生防止に有効であったと認めることはできないし、通院中に吐き気を感じた際の対応についても、電車を利用することにより途中降車して休憩することなどが特に困難になるとは考えられない

原告が、タクシー利用開始に先立つ同月11日から自宅とCクリニックとの間を途中降車が必ずしも容易でない高速道路を利用して移動を繰り返していることや、同月14日にはF駅からG駅までを電車で移動していることも考慮すると、原告の通院についてタクシー利用の必要性・相当性を認めることはできない。

原告は、被告の保険会社が通院時のタクシー利用の必要性を承認していたと主張し、その旨供述するが、保険会社がタクシー利用の必要性を承認していたとの事実を認めるに足りる証拠はないから、原告の上記主張を採用することはできない。


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