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【東京地判平成26年10月17日】追突された49歳男子の左肩亜脱臼は初診時に訴えなく事故後約1ヶ月以降に症状が生じたことから自己との因果関係否認

1 左肩亜脱臼について

原告が、平成22年5月22日にA病院を受診した際、同病院の診療録上、原告が左肩痛を訴えていた旨の記載はなく、同月24日にB整形外科を受診した際も、左肩の器具による消炎鎮痛処置等は行われておらず、同月31日にC病院を受診した際も、同病院の診療録上、原告が左肩痛を訴えていた旨の記載はない。

また、原告が、肩が抜ける感覚を受けたのは、同年7月から9月ころが最初であり、同年9月9日のレントゲン撮影の結果は脱臼なしとの検査所見であり、診療において脱臼が認められたのは同年10月以降である。

これらの事実によれば、原告に、本件事故直後から左肩の脱臼ないし亜脱臼の症状が現れていたとは認められず、かかる症状は本件事故から1か月以上が経過した後の同年7月ころ以降に生じたものであるから、本件事故との相当因果関係は認められないというべきである。

原告は、本件事故により左肩に不完全脱臼を生じたが、本件事故直後に自然に整復したため見過ごされたなどと主張する。

しかし、上記の治療経過に加え、原告の供述によれば、本件事故直後の左肩痛は、一点だけが痛むというものではなく、首から肩にかけての痛みであったというのであるが、このような痛みが脱臼によって生じることを裏付ける的確な証拠はないことからすると、原告の主張は採用できない。

2 休業損害について

原告は、本件事故前の平成22年4月26日に、勤務していたX株式会社を退職し、同年7月に再入社する旨の内諾を得ていたこと、従って、原告は、本件事故当時無職であったが、同年7月1日に同社に再入社し、同年8月分までの給与を受けたこと、同年9月6日以降、うつ病ないし左肩の痛みのために欠勤し、平成23年4月5日に同社を退職したこと、以上の事実が認められる。

以上の事実に基づき検討すると、原告は本件事故当日から同年6月までは無職であり、休業損害が生じる余地はない

同年7月及び8月については、原告は現に稼働しており、本件事故により休業し減収が生じたことを示す的確な証拠はない。

同年9月以降については、うつ病及び左肩の痛みのために欠勤・退職したのであり、これらが本件事故と相当因果関係の認められないものであることは前記説示のとおりである。

そうすると、原告につき、本件と相当因果関係のある休業損害の発生を認めることはできない


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