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【東京地判平成27年1月30日】45歳男子会社員の12級顔面醜状と労働能力喪失率、加害者の過重労働による居眠り運転と後遺障害慰謝料の増額

1 後遺障害逸失利益について

原告Xは、本件事故当時、約1100万円の年収があったにもかかわらず、本件事故による高次脳機能障害により、約300万円の年収しか得られなくなったものであり(減収率は約73%)、この事実は、原告Xの労働能力喪失率を考える上で極めて重要な事実というべきである

また、原告Xの後遺障害は、高次脳機能障害(7級4号)だけでなく、歯牙障害(10級4号)、嗅覚脱失(12級相当)及び外貌醜状(顔面部の右前額部、左前額上部、左前額部、右上唇部、右顎部の各線状痕(右前額部の線状痕は長さ5㎝以上))(12級14号)があるところ、そのうち原告Xの外貌醜状は、夏場は日焼けによって目立たないものの、日焼けが取れるとやはり目立ち、原告Xは度々他人から「その傷はどうしたのか」と尋ねられることがあって、どうしても人目を気にしてしまい、気持ちが消極的になることが認められるから、この外貌醜状も原告Xの労働能力に影響を与えていると認めるのが相当である。

以上の事情を総合すると、原告Xの労働能力喪失率は、併合6級の労働能力喪失率である67%を下回らないというべきであるから、原告Xの後遺障害逸失利益は労働能力喪失率を67%として算定するのが相当である。

2 後遺障害慰謝料について

被告Aは、タレントの供給等を業とする被告Y会社における過重労働によって睡眠不足となり、それが原因で本件事故を起こしたと認められる。

そして、本件事故が被告Aの居眠り運転によって発生したことはもちろん、被告Aが被告Y会社における過重労働によって慢性的な睡眠不足状態に陥り、その解消を上司に訴えていたにもかかわらず、何ら有効な対策が取られなかったことが本件事故の一因になっていることも、原告Xの精神的苦痛を増大させる事情というべきであるから、これらの事情は全て慰謝料の増額事由として斟酌するのが相当である。

・・・以上に述べた慰謝料の増額事由のほか、原告Xの後遺障害の内容・程度等、本件に顕れた一切の事情を勘案すると、後遺障害慰謝料は1450万円と認めるのが相当である。


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