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【東京地判平成27年2月24日】19歳男子が失神、車道側に倒れ被告乗用車と交錯、原告に6割の過失認定

1 過失割合について

・・・このように、絶対的な意味での本件でのいずれの過失も大きいとは到底いえないものであり、その意味も大きいとは到底いえないものであり、その意味で本件は双方にとって極めて不幸な事故である。

しかし、本件事故が双方の過失の競合によって起きたことは否定できないところであり、双方の過失の程度を相対的に評価して、一定の過失割合を認定する必要がある。

そして、原告が倒れてから事故までがごく短時間であり、歩行者による長時間の路上横臥の事案とは全く危険性が異なるし、更には夜間の路上横臥の事案と比べてもなお危険で、かつ車両にとっての予見可能生が小さいことは指摘できるものの、他方、原告の責任が歩行者による赤信号無視・看過の事案と同等以上であるとも考えられないこと、その他諸般の事情を考慮し、過失割合としては、原告6、被告4とするのが相当とする。

2 整骨院の治療費について

①原告が整骨院に通院したのは父親からの助言がきっかけであり、医師からの指示はないこと、②原告が整骨院に通院中、B病院の整形外科に行ったのは1回だけであり、かつ医師から整骨院での施術に関する指導等も何も受けていないこと、③整骨院における傷病名は頸部捻挫、右肩関節捻挫、右手関節捻挫であるところ、B病院の整形外科において頸椎に関する言及はなく、平成22年4月21日の通院においても何ら指摘されていない上、同日において右肩関節については症状が治まっているとされていること、④整骨院と整形外科の通院日数比が極端に整骨院に偏っていること、等の事情が認められる。

原告に特段右肩等の既往症があったわけではなく、ゴルフによってこれらが当然にもたらされるわけでもないのであって、原告のこれらの症状が事故に起因しないものということはできない。

しかし、上記のような事情に照らすと、原告の整骨院治療について、本件事故と相当因果関係を認めることができる範囲は非常に限定されるものといわざるを得ず、本件においては、整骨院治療費の20%に限り、本件事故と相当因果関係があるものと認める。

3 逸失利益について

逸失利益について検討すると、①神経症状については、それが永続する蓋然性の証明にも一定の限界があるし、更には本件は14級事案の中でも労働能力への影響が軽微な部類に入ると考えられること、②外貌醜状については原則的には労働能力に影響するものではないといえるが、他方で、醜状痕は複数であり、その意味で現行12級相当とされる外貌醜状の中では本件は重篤な部類に入ると考えられること、原告の場合現実にアルバイトに一定の支障が出ており、また若年であって今後幅広い職業に就く可能性がある中で、外貌醜状の存在が一定の制約となる可能性も否定できず、労働能力への影響を完全に否定することもまた相当ではないこと、③鈍痛と外貌醜状の箇所は同じであり、実際上は2つの症状は相互連関する部分であって、二重評価は相当でないが、その一方で、2つの症状が相まって(鈍痛による表情の不自由など)より影響を大きくしている部分も否定できないこと等の事情が認められる。

以上を総合的に考慮し、本件においては、両方の後遺障害を総合的に評価して、労働能力喪失5%、喪失期間5年とするのが相当である。


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