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【東京地判平成27年3月19日】脊髄損傷等47歳男子の紛争処理機構3級認定も11級7号認定し、2割の素因減額適用

1 後遺障害について

平成24年9月30日以降に実施された被告側保険会社の調査によれば、原告は、車椅子のハンドリムを握って漕ぎ、1人で外出するなどしており、カーテンを開閉する、郵便受けから新聞を取り出す、硬貨を自動販売機に投入して飲料を購入する、右手を頭上に挙げてタクシーを呼び止める、スーパーマーケットにおいて左手でグレープフルーツを掴み取って吟味する、両手を使い食事をする等の行動を取っている

原告は、C病院への入院中から、床灯台のひきだしを開けたり、携帯電話を操作するなどの行為を行えている。この点、脳神経外科医A医師は、携帯電話の操作は健常者にとっても非常に細かな作業であるので、原告の使用状況を見る限り巧緻性に問題があると認めることは困難であるとの意見を述べており、原告らはこれに対する納得の行く反論をできているとはいえない

…したがって、原告の供述及び陳述書の記載は、その日常生活の状況と矛盾し、信用することができない。また、B医師の診断及び紛争処理委員会の判断についても、その前提となった原告の申告が信用し難いものであることに加え、上記のとおりのC病院への入院中の原告の状況にも照らすと、いずれも採用できない。

以上によれば、原告に手の巧緻傷害が残存しているとは認められないから、原告らの主張は採用できない。

2 素因減額について

原告には、平成20年1月9日の頸椎MRI検査の結果、第4・5頸椎及び第5・6頸椎に頚椎症、椎間板ヘルニア及び高度脊柱管狭窄症、第4頸椎下縁から第6頸椎上縁まで後縦人体骨化が断続的に認められ、これらの症状は、外傷性ではなく加齢に伴う慢性的な変化と認められる。

加えて、➀原告に認められる脊柱管狭窄、椎間板の変性及び後縦靭帯骨化は、同年齢に見られる変化よりも明らかに強いものであること、➁原告が、本件事故当日の平成20年1月9日のMRI検査の結果、脊椎の変性が強く、衝撃への抵抗力が弱かったと考えられると判断されていることからすると、原告の上記症状は本件事故以前からの疾患であり、その疾患が原告の椎弓形成術の施行の必要性、すなわち、後遺障害の発生に寄与し、治療の長期化にも影響したものと認められる。

したがって、損害の公平な分担を図るためには、原告の損害から少なくとも2割を減額するのが相当というべきである。


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