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【横浜地判平成26年10月24日】会社の使用者責任・自賠法3条の責任、接骨院での治療の合理性、会社代表者の後遺障害逸失利益

1 会社の使用者責任について

被告車は、平成7年12月初年度登録のA所有名義の普通貨物自動車であるところ、被告Bは、平成18年度、Aからこれを譲り受けたが、Aの登録名義のままであり、被告車は車検切れの無保険車であったこと、被告Bは、被告車の鍵を自ら管理し、被告車を被告会社寮の付近の路上ないし被告会社の駐車場に止めていたが、同僚が私用で出かける際にはこれを貸与していたこと、しかし、被告Bは、作業現場に出かけるときには、被告会社の車両ないし現場の送迎車両を利用し、被告車が会社の事業のために使用したことはなかったこと、被告Bは、平成22年10月28日夜、被告会社の現場での仕事を終えて寮(自宅)に戻ったが、b市内の友人宅に出かけるため、被告車を運転し、午後11時頃、本件現場付近に差し掛かった際、本件事故を惹起したことが認められる。

上記認定の事実によると、被告会社は、被告車を所有しておらず、被告Bの所有するものであり、被告Bも被告会社及びその従業員らに対し、被告車を被告会社の事業の執行のために使用することを認めることはなく、本件事故も被告Bが友人宅に赴く途中の事故であり、外形的・客観的に見て被告会社の事業の執行につき生じた事故であるとは認め難い

そうすると、本件事故について、被告会社が民法715条1項の責任を負うことはないというべきである。

2 会社の自賠法3条の責任について

被告会社は、被告車を所有しておらず、被告車について運行支配又は運行利益を有すると認め難く、運行供用者に当たるとはいえないから、上記責任を認め難いというべきである。

3 接骨院での治療の合理性について

原告Xは、専門医への通院は極僅かであるが、継続的に接骨院において施術を受けてきたことが認められるところ、約7ヶ月間の接骨院における施術で症状が軽減したことが認められ、Dクリニックは、E接骨院での治療について各別異論を唱えることなく、同接骨院からの精密検査の依頼に応じて協力していることをも併せ考えると、本件事実経過の下においては、接骨院での施術は不合理とはいえない

4 後遺障害逸失利益について

原告X(症状固定時47歳)は、大学を中退し、本件事故当時、金型の製造・加工を主たる業務とするB会社(従業員約15名)の代表取締役であったこと、原告Xは、資金・労務・納期管理、加工作業、図面作成業務等に従事したり、営業活動に従事したほか、従業員とほぼ同様の時間帯に就労し、納期に間に合わない場合には休日も就労していたこと、上記会社は、本件事故当時から赤字決算が続き、原告Xの役員報酬は平成21年度の年数が805万円であったが、平成25年度の年収は約480万円に減少していることが認められ、役員報酬は会社の収益に連動するが、元々会社の収益については不確定的要素が強いことを考えると、原告Xの労務対価部分については、症状固定時年度(平成23年)の男性労働者の賃金センサス(高卒者の45歳から49歳)に従い、549万3500円と認めるのが相当である。


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