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【高松高判平成26年11月6日】36歳男子の右手RSDを12級認定し1割の素因減額適用

1 RSD該当性について

自賠責の後遺障害認定においては、RSDの認定基準上の3要件が存在する(関節拘縮、骨萎縮、皮膚温、皮膚萎縮等の皮膚変化という慢性期の主要な症状がいずれも健側と比較して明らかに認められる)場合に限り、所定の後遺障害等級に認定することとされており、自賠責保険制度上、提出された診断書、診断画像等の資料のみから的確な認定をするための基準として設けられたものであって、裁判所において他の資料をも含めた事実認定をすることが妨げられるものではない

また、RSDの診断基準として用いられるギボンズらによる基準は、10項目の項目中、陽性を1点、擬陽性を0.5点、陰性・未評価を0点として、3点以下はRSDではない、3.5~4.5点はRSDの可能性がある、5点以上はRSDの可能性が高いとするものであるところ、A医師は、原告の右手甲の痛み等の症状について、…5項目を満たすとしてRSDと診断していることが認められ、上記基準に当てはめれば5点となり、原告の症状がRSDである可能性が高いといえる。

2 素因減額について

原告の右手甲の痛み等の症状はRSDによるものと認めるのが相当であるが、RSDの主要な客観的所見に乏しいこと、原告が本件事故による治療当初から処方薬の説明を巡って主治医の変更を求めるなど、相当のストレスを抱いていたと認められること等を考慮すれば、一定程度原告の心因的素因が、どの様な形であるかはともかくとして、影響しているものと言わざるを得ない。

原告は、被告の主張は素因の具体的内容を欠いていると指摘するが、客観的所見を備えたRSDの心因的素因を主張するのであればともかく、主要な客観的所見を欠き、ギボンズらの診断基準によっても、RSDである可能性が高いとされる最低点が与えられるにとどまる症状を呈しているにすぎないことも考えれば、本件事案の全体的な事実関係を考慮して、一定程度の心因的素因の影響を推認することで、素因減額を認めることが、損害の公平な分担となるというべきである。

…そこで、RSDが右手甲の痛み等に関わるものであって、原告の症状のすべてに関わるとはいえないことも考慮して、素因減額は、損害の1割の限度で認めるのが相当である。


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