お知らせ【フランチャイズ契約②】フランチャイズ契約のトラブルの特徴は?
フランチャイズに加盟する者は、通常、経験がない事業について、対価を支払うことの引き換えとして、パッケージ化された利益保証のノウハウを受けることを期待してフランチャイズ契約を結びます。
フランチャイズ契約は、事業者間で契約が結ばれますが、加盟者は事業者であっても、本業とは無関係な事業については素人であり、事業経験があったとしても、事業の成否の見通しについては適切に判断できないことが多いと思います。
そこで、加盟者は本部に対して、高額な加盟金とロイヤルティを支払い、情報を提供してもらうためにフランチャイズに加盟するわけです。
このように、本部と加盟者との間には、情報の面でも、資力の面でも著しい格差があることがわかると思います。
この情報格差・資力格差から、本部が自己に有利な取引を行い、結果、トラブルになることが非常に多いです。
2.本部と加盟者との情報格差からくるトラブルの例としては、契約書や約款が、本部に有利に作成されているという点もあげられます。
フランチャイズ契約で用いられる契約書は、本部側が作成します。
多くのフランチャイズ契約では、加盟者の義務を定めることが主たる目的とされており、本部の義務はほとんど記載されていません。
しかも、本部の数少ない義務は、ノウハウ提供義務、経営指導義務など、抽象的な義務にとどまり、裁判上の債務不履行を確定できるほど具体化されていません。
3.以上のような本部と加盟者との関係がある中で、フランチャイズ契約を直接規制する法律はありません。多くの場合、民法の一般条項である公序良俗違反や信義則違反で対処しているのが現状です。
一般条項を用いる場合は、その要件や判断基準が不明確であるため、裁判の見通しが立てづらい点が難点といえます。
また、独占禁止法は、優越的地位の濫用などを不公正取引として規定していますが、同法は行政取締法規であるため、独占禁止法違反であっても、私法上、当然に無効と判断されるわけではありませんので注意が必要です。