Daily Archives: 2016年11月10日

労働者性17 ホストの労基法上の労働者性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、ホストの労働者性が争われた裁判例を見てみましょう。

甲観光事件(東京地裁平成27年3月25日・労経速2289号24頁)

【事案の概要】

本件は、Y社経営のホストクラブに勤務していたXが、Y社と雇用契約を締結していたとして、Y社に対し、未払賃金請求及び旅行積立金の返還請求をする事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 ホストの収入は、報酬並びに指名料及びヘルプの手当で構成されるが、いずれも売上に応じて決定されるものであり、勤務時間との関連性は薄い。また、出勤時間はあるが客の都合が優先され、時間的拘束が強いとはいえない。
ホストは接客に必要な衣装等を自腹で準備している。また、ホストと従業員である内勤とは異なる扱いをしている。ミーティングは月1回行われているが、報告が主たるものである

2 以上によれば、ホストはY社から指揮命令を受ける関係にあるとはいえない。ホストは、Y社とは独立して自らの才覚・力量で客を獲得しつつ接客して収入を挙げるものであり、Y社との一定のルールに従って、本件店舗を利用して接客し、その対価を本件店舗から受け取るにすぎない。そうすると、ホストは自営業者と認めるのが相当である

3 したがって、XY社間に雇用契約締結の事実は認められない。XY社間の契約関係は、Y社主張の賃貸借契約類似の非典型契約であると考えられる。Xの場合は、客からの指名が受けられないことから、十分な収入を挙げられなかったものであるが、ホストの業務内容からすれば、ある意味やむを得ないところである

だそうですよ。

労働者性に関する判断は本当に難しいです。業務委託等の契約形態を採用する際は事前に顧問弁護士に相談することを強くおすすめいたします。