Monthly Archives: 3月 2019

賃金165 固定残業制度が無効と判断される理由(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

さて、今日は、未払時間外割増賃金等支払請求と固定残業代に関する裁判例を見てみましょう。

アトラス産業事件(東京地裁平成30年9月10日・労判ジャーナル84号52頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の正社員であったXが、会社在籍中に時間外労働、休日労働及び深夜労働を行ったと主張して、Y社に対し、時間外、休日及び深夜割増賃金約811万円等の支払を求めるとともに、労働基準法114条に基づく付加金約808万円等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

Y社はXに対し、約457万円+付加金320万円を支払え

【判例のポイント】

1 XはY社から月給40万円に時間外労働等に対する割増賃金が含まれるとの説明を受けたことを否認し、本件証拠によるも、Y社からXに対し上記説明があったとは認められないこと、本件契約書1の記載から直ちに上記月給に時間外労働等に対する対価としての定額の割増賃金が含まれていると理解することは困難であること、賃金規程には基本給に割増賃金を含む旨の記載がないばかりでなく、時間外労働につき割増率1.25倍の割増賃金を支給するとの本件各契約書の記載と齟齬する記載があること、本件各契約書に記載された基本給の時給額は、埼玉県の最低賃金を下回ること、Y社が主張する固定残業代の定めによれば、固定残業代部分が1か月当たり約181時間ないし209時間分の時間外労働の対価となるなど、基本給と固定残業代部分が著しく均衡を失するうえ、Xの実際の時間外労働が1か月平均約60時間であることともかけ離れていることなどの事情を考慮すると、上記月給に時間外労働等に対する対価としての定額の割増賃金が含まれているとは認め難いこと等から、Y社の上記固定残業代に係る主張は採用することができず、月給40万円は全て通常の労働時間の賃金に当たるものと解するのが相当である。

2 Y社は、Xとの間で固定残業代の定めの合意をし、これを支給していた旨主張するものの、かかる固定残業代の定めを認めることはできないうえ、かかる給与制度に託けて基本給以外に時間外等割増賃金の支払をしていないことやその金額が高額に及ぶことなどの事情を総合して考慮すると、Y社に対し、上記未払時間外等割増賃金額から本訴提起日までに支給日から2年が経過した部分を控除した457万7397円の約7割に当たる320万円の付加金の支払を命ずるのが相当である。

もうそろそろ固定残業制度、やめませんか・・・

どうしてもやりたいのなら、ちゃんと弁護士なり社労士のレクチャーを受けませんか・・・

残業代請求訴訟は今後も増加しておくことは明白です。素人判断でいろんな制度を運用しますと、後でえらいことになります。必ず顧問弁護士に相談をしながら対応しましょう。

本の紹介899 「300億円赤字」だったマックを六本木のバーの店長がV字回復させた秘密(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
「300億円赤字」だったマックを六本木バーの店長がV字回復させた秘密

著者は、元日本マクドナルドマーケティング本部長の方です。

マクドナルドの再建物語が「ほぼ実話」として書かれています。

マーケティングの考え方がとてもおもしろく、参考になります。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

僕は、2017年10月に出した『ベーコンポテトパイ』が印象深いな。『ヘーホンホヘホハイ』に名前を変えただけなのに、前年の2.5倍も売れたからね」「ただ、打ち合わせのときはネーミングを変えるっていう話はひと言も出ていなかったし、いくらなんでもふざけすぎだろうって、これが採用されるとは思ってなかったみたいです。レシートに印字される名前も『ヘーホンホヘホハイ』に変更して、それがSNSでずいぶんアップされてましたよね」184~185頁)

全く味を変えずに、商品名を「ベーコンポテトパイ」から「ヘーホンホヘホハイ」に変えただけです。

こういう発想、とても勉強になりますよね。

もっとベーコンの量を増やしてみようとか、パイの生地を変えてみようとか、普通ならそういうところから入ってしまいそうなところです。

同じ商品でも売り方を変えるだけで結果がこんなにも違うという良い例です。

あとは自分の業界にどうあてはめるかだけですね。

そう考えるとまだまだできることは山のようにあります。

不当労働行為214 組合員の雇止めが不当労働行為とならない場合(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、契約期間満了を理由に有期雇用職員である組合員の契約を更新しなかったことが不当労働行為に当たらないとされた事案を見てみましょう。

国立研究開発法人情報通信研究機構事件(東京都労委平成30年2月20日・労判1190号94頁)

【事案の概要】

本件は、契約期間満了を理由に有期雇用職員である組合員の契約を更新しなかったことが不当労働行為に当たるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたらない

【命令のポイント】

1 ・・・これらの事実からすると、委託研究推進室においては、Y社がXらの組合加入を認識する以前から、28年度以降の業務体制の変更を検討しており、それまでXらが担当してきた経理検査業務についても、ベテランである同人らの経験や実績のみに頼ることのない組織体制作りを模索していたことがうかがえる
その適否の評価はともかくとして、Y社は、Xらの組合加入を認識する以前から、28年度以降の経理検査の業務体制変更を検討し、28年度以降、Xらを含む委託研究推進室における一般職有期雇用職員の採用数を絞ろうとしていたことが認められるのであり、一方、Y社が、Xらが組合員であることやその組合活動を理由として、同人らの公募不採用を決定するに至ったことをうかがわせる事情は、特段見当たらない。これと上記の事実を併せ考えれば、Xらの不採用が同人らの組合加入を理由とするものであるとみるのは困難であるといわざるを得ない。

2 よって、Y社が、28年4月1日以降、Xらを雇用しなかったことは、組合員であるが故の不利益取扱いには当たらない。

上記のような事情があるため、Xらの不採用と組合加入との因果関係は否定されました。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介898 反応しない練習(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」

著者は、僧侶の方です。

悩みの大半は、何かに「反応」してしまうところから生まれます。

「反応しない」ようにするためには、どのようにすればよいかが書かれています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

人は三つの執着によって苦しむ。①求めるものを得たいという執着(だがかなわない)。②手にしたものがいつまでも続くようにという執着(やがて必ず失われる)。③苦痛となっている物事をなくしたいという執着である(だが思い通りにはなくならない)。では、これらの苦しみが止むとは、どういう状態なのだろうか。それは、苦しい現実そのものではなく、苦しみの原因である”執着”が完全に止んだ状態なのだ。」(56頁)

何かに執着するということをできるだけしないようにしています。

執着とは依存だと思っているからです。

人は何かに依存すると弱くなります。

それがないと生きていけない、それが生きるための頼みの綱・・・

100%依存しないで生きていくことはできませんが、極力、依存度を増やさないように心がけています。

そのためには、自分に力をつけることです。

自分の商品価値を高めることこそが最も大切なのだと確信しています。

不当労働行為213 労組加入を公然化した組合員の雇止めが不当労働行為とならない場合(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、労組加入を公然化した組合員との非常勤講師契約を再締結しなかったことが不当労働行為に当たらないとされた事案を見てみましょう。

学校法人文際学園(非常勤講師)事件(中労委平成30年2月21日・労判1190号93頁)

【事案の概要】

本件は、労組加入を公然化した組合員との非常勤講師契約を再締結しなかったことが不当労働行為に当たるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にはあたらない

【命令のポイント】

1 X組合員については、①ECSで日本語を使用し、学生らが日本語を使用していても注意しないこと、学生らが授業に集中していなかったという問題が認められ、②また、これらの点についてのB専任教員からのフィードバックに関しても前向きな態度ではなかったこと、③さらに、学生満足調査における結果が悪かったことなど、24年11月中頃までに法人が把握した事情により、本件雇止めが決定されたと認められる。
そして、講義の質、学生の満足度などの点は非常勤講師契約においても再契約の考慮要素とされており、特に、X組合員の担当していたECSは、英語によるコミュニケーションを重視する授業であること、非常勤講師は原則として学期単位の有期契約であり、X組合員が当然に再契約を期待できる事情もなかったことも併せ考慮すれば、本件雇止めには相応の理由があるといえる。

2 本件雇止めの通知の時期は異例とはいえないこと、X組合員には当然に非常勤講師の再雇用を期待できるような事情も認められず、雇止めに相応の理由もあることからすれば、本件雇止めの通知が組合加入の公然化後間もない時点でされたことや、本件雇止め後の労使交渉の経緯を十分に考慮しても、本件雇止めが、組合員であるなどの労組法7条1号所定の理由によりされたものであるとは推認できないというべきである。
以上によれば、本件雇止めは組合員であるが故の不利益な取扱いであるとはいえず、労組法7条1号に規定する不当労働行為には当たらない。

従業員の組合加入の公然化と重なったことからこのような紛争が起きてしまいましたが、

上記命令のポイント1のように雇止めの理由に合理性が認められれば、不当労働行為とはなりません。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介897 心理マーケティング100の法則(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は本の紹介です。
心理マーケティング100の法則

よく目にする心理マーケティングの手法がまとめられています。

もっとも、この手の手法をあからさまにやるのは野暮というものです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

モデリングとは目標とする人や理想の人を真似することです。形からでよいのです。自分の目標となる人や理想の人を頭の中に思い浮かべ、その人の話し方、身振り、手振り、しぐさ、表情などを真似するのです。その人ならこんなときどうするかを考えて、そのとおりに真似するのです。」(173頁)

モデリングなんて言葉を使うまでもなく、日頃からやっていることですね。

うまくいっている人のやり方、話し方、考え方を徹底的に真似する。

結果が出るまで自己流を封印する。

それともう一つ。

身振り手振りだけを真似しても、それだけでは結果が出ないということはよくあることです。

原因は、努力不足・練習不足・準備不足です。

みんなが休んでいるときに流す汗の量が足りないのです。

みんなと同じようにのんびりしながら、みんなとは違う結果を求めるのはわがままというものです。

労働時間54 事業場外みなし労働時間制が有効と判断される場合とは?(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、事業場外みなし制の適用が認められた事業場外協定も有効とされた裁判例を見てみましょう。

ナック事件(東京高裁平成30年6月21日・労経速2369号28頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に雇用されていたXをY社が懲戒解雇したことに関連して、X及びY社がそれぞれ以下の請求をする事案である。

1 XとY社との労働契約に基づく賃金支払請求、XとY社との労働契約に基づく立替金請求、不当利得返還請求、労働基準法114条、37条に基づく付加金請求

2 Y社の反訴請求

原審は、①本訴請求のうち、賃金支払請求について、平成24年1月分から平成25年11月分に係る残業代191万1867円+遅延損害金の支払を命ずる限度で認容したが、その余は、平成26年1月23日を解雇の日と認定した上で、弁済、民法536条1項の危険負担又は契約の終了により債務が消滅したとして、いずれも棄却した。
営業経費の立替金請求については、17万1030円+遅延損害金の支払を命ずる限度で認容し、不当利得返還請求については、Y社に利得がない又は非債弁済に当たるとして、これを棄却した。
付加金請求については、除斥期間が経過していない平成24年8月分ないし平成25年11月分までの割増賃金について75万円+遅延損害金の支払を命ずる限度で認容した。

【裁判所の判断】

Y社の控訴に基づき、原判決中Y社の敗訴部分を取り消す。

Xは、Y社に対し、60万円+遅延損害金を支払え。

【判例のポイント】

1 Xが従事していた業務は、事業場(支店)から外出して顧客の元を訪問して、商品の購入を勧誘するいわゆる営業活動であり、その態様は、訪問スケジュールを策定して、事前に顧客に連絡を取って訪問して商品の説明と勧誘をし、成約、不成約のいかんにかかわらず、その結果を報告するというものである。訪問のスケジュールは、チームを構成するXを含む営業担当社員が内勤社員とともに決め、スケジュール管理ソフトに入力して職員間で共有化されていたが、個々の訪問スケジュールを上司が指示することはなく、上司がスケジュールをいちいち確認することもなく、訪問の回数や時間もXら営業担当社員の裁量的な判断に委ねられていた。個々の訪問が終わると、内勤社員の携帯電話の電子メールや電話で報告したりしていたが、その結果がその都度上司に報告されるというものでもなかった。帰社後は出張報告書を作成することになっていたが、出張報告書の内容は極めて簡易なもので、訪問状況を具体的に報告するものではなかった。上司がXを含む営業担当社員に業務の予定やスケジュールの変更について個別的な指示をすることもあったが、その頻度はそれ程多いわけではなく、上司がXの報告の内容を確認することもなかった
そうすると、Xが従事する業務は、事業場外の顧客の元を訪問し、商品の説明や販売契約の勧誘をするというものであって、顧客の選定、訪問の場所及び日時のスケジュールの設定及び管理が営業担当社員の裁量的な判断に委ねられており、上司が決定したり、事前にこれを把握して、個別に指示したりすることはなく、訪問後の出張報告も極めて簡易な内容であって、その都度具体的な内容の報告を求めるというものではなかったというのであるから、Xが従事していた業務に関して、使用者が労働者の勤務の状況を具体的に把握することは困難であったと認めるのが相当である。

いかがでしょうか。

事業場外みなし労働時間制が肯定される数少ない例です。

労働時間に関する考え方は、裁判例をよく知っておかないとあとでえらいことになります。事前に必ず顧問弁護士に相談することをおすすめいたします。

本の紹介896 毎日が小さな修行(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
毎日が小さな修行

帯には「三十代で千三百年に二人目の千日回峰行を満行した大阿闍梨が語る」と紹介されています。

だからこそとても説得力があります。

おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

私たちの修行時代は見て習う、見習いでした。そのときは意味がわからなくても納得できなくても、指摘を受けたら『すいません』と反省して、師匠や先輩のやっている通りに見て、自分でやってみるうちに、だんだんとできるようになりました。これが、見習いの極意です。そのときはわからなくてもいい。手探り状態でもいい。ただ人を恨まず、憎まず、常に素直に自己を省みる反省の心と、どんなささいなことからも学ぼうとする学びの心があれば、いつか必ず真理が掴めます。これがお坊さんになって二十五年経った、今の私の学びです。」(78頁)

手取り足取りが求められる時代になっていますが、修行の基本は「見て習う」です。

仕事でもスポーツでも、うまい人の真似をすることから始めます。

真似をしても出てしまうのが個性です。

個性は結果であって、目的ではありません。

素直さと柔軟さを持って修行をしていけば、いつか必ず結果は出ます。

賃金164 固定残業制度が無効と判断された理由とは?(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、基本給に組み込まれた固定残業代の定めが無効とされた裁判例を見てみましょう。

WIN at QUALITY事件(東京地裁平成30年9月20日・労経速2368号15頁)

【事案の概要】本件は、Y社の従業員であったXらが、Y社に対し、①時間外労働等に係る割増賃金+遅延損害金の支払を求めるとともに、②労働基準法114条に基づく付加金+遅延損害金の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

Y社はX1に対し、635万2073円+遅延損害金を支払え。

Y社はX1に対し、付加金として、415万円+遅延損害金を支払え。

Y社はX2に対し、283万9656円+遅延損害金を支払え。

Y社はX2に対し、110万円+遅延損害金を支払え。

【判例のポイント】

1 Y社の主張によれば、Xらに支給した賃金のうち、「時給802円×8時間」に月の勤務日数を乗じて算出される部分以外は、(リクルート手当や扶養手当を除けば)全て時間外労働等に対する対価であるというのであり、かかるY社の主張を前提とした場合、上記「時間外手当」のほかに、雇用契約書上の「無事故手当」として基本給に含まれるとされる部分も、時間外労働等に対する割増賃金として支払われたものということになる。しかし、本件規定及びこれに整合する「時間外手当」の定めがありながら、これとは別個の手当として定められた「無事故手当」が、その名称にかかわらず、やはり時間外割増賃金等の趣旨で合意されたものとはにわかに解し難く、雇用契約書、就業規則及び賃金規程の記載によっても、これが時間外割増賃金等の実質を有するものであったとは認め難い

2 なお、前記のような雇用契約書の記載に沿わない賃金支払の実態があったことに照らすと、そもそも、雇用契約書の記載自体が、XらとY社との間の労働契約の内容を正しく反映したものであるかについて疑問があり、前記のようなY社の主張も、雇用契約書の内容と整合するものとはいい難いことも踏まえると、雇用契約書上に「時間外手当」とある部分に限って、なお時間外労働等に対する対価として支払うとの合意が労使間に有効に存在し、これに沿った現実の取扱いがなされていたとも認め難く、この部分に限り固定残業代として有効なものと認めることも困難である(もとより、Y社もそのような主張をしない。)。
そうすると、Y社が時間外割増賃金等として支払ったと主張する部分が、通常の労働時間の賃金に当たる部分と明確に区分された上で、時間外労働等に対する対価として支払われたとは認められず、労働者において、労働基準法37条等に定められた方法により算定される割増賃金が正しく支払われているのかを検証することは困難であったといわざるを得ない。

3 そうすると、結局、本件において、Y社が時間外労働等に対する対価として支払ったと主張する部分は、①法定時間内の通常の労働の対価となる賃金部分と明確に区分されていないため、労働者において、労働基準法37条等所定の方法により算定される時間外労働等に対する割増賃金が正しく支払われているのかを検証することも困難である上、②予定される時間外労働等が極めて長時間に及び、Xらの実際の時間外労働等の状況とも大きくかい離するものであることなどからすると、XらとY社との間の雇用契約において、真に時間外労働等に対する対価として支払われるものとして合意されていたものとは認められない。
したがって、この部分を時間外労働等に対する割増賃金の支払として有効なものと認めることはできず、当該部分も、通常の法定時間内の労働に対する賃金(時間外割増賃金等算定の基礎となる賃金)に含まれるものと認められる

典型的な固定残業制度の失敗例です。

中途半端な知識でやる固定残業制度は百害あって一利なしです。

普通に残業代を支払うのが最もリスクが少ない王道のやり方です。

残業代請求訴訟は今後も増加しておくことは明白です。素人判断でいろんな制度を運用しますと、後でえらいことになります。必ず顧問弁護士に相談をしながら対応しましょう。

本の紹介895 まわりにいい影響をあたえる人がうまくいく(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は本の紹介です。
ポジティブ・インパクト まわりにいい影響をあたえる人がうまくいく

もうタイトルそのまんまです。

率先垂範こそがコーチングのあるべき姿だと確信しています。

まあ、反面教師もコーチングでしょうかね(笑)

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

人生を変えるようなものでなくてもかまいません。人との日常的なやりとりがポジティブな影響を与えることもあります。それは職場だけに限りません。どこでも起こり得ます。あなたの存在自体がポジティブな影響をもたらすこともあります。あなたの働き方や生き方が、誰かの手本やヒントになるような場合です。あなたの仕事ぶりや生き方に魅力を感じたとき、人はあなたのような働き方や生き方をしたいという気持ちになるかもしれません。」(29頁)

メンターの発想です。

もっとも、メンターの影響を受けるも受けないも、受け手(メンティー)側の問題です。

レセプターがなければどれだけいい影響を受けても、何も感じとることはできません。

やる気がない人に何を言っても始まりません。

本もセミナーもそうです。

どれだけ良い本を読んで、セミナーを受けても、何かを感じ取る力が読み手、聴き手になければ何も始まりません。

つまりは、メンターの言うこと、やることをそのまま受け入れる素直さと柔軟さがあるかどうか、ただそれだけです。

とてもシンプルですが、できる人はできるし、できない人は永遠にできません。