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【自己破産㉕】配当ってなに?

配当手続の概要を教えて下さい。

破産管財人は、破産財団に属する財産を換価して金銭ができれば、それを破産債権者にその債権の優劣・順位に応じて分配することになります。

この手続を配当手続といいます。

破産法では、最後配当(通常配当)、簡易配当、同意配当、中間配当、追加配当の5種類の配当手続を予定しています。

各手続の概要については、以下のとおりです。

1 最後配当(通常配当)

最後配当とは、破産財団に属する財産の換価終了後、最終的に実施する配当です。中間配当を繰り返して、すべての財団所属財産の換価が終了した段階で最後配当が行われる場合もありますが、一般的には、中間配当を行わず、最後配当のみを実施する例が多いです。

2 簡易配当

簡易配当とは、配当することができる金額が1000万円に満たない事件について、最後配当に代えて行われる簡易・迅速な配当手続であり、破産管財人が裁判所書記官の許可を受けて行われます。

簡易配当においては、除斥期間の2週間から1週間への短縮、配当表に対する異議の手続における即時抗告の不許などの点で、手続の簡易・迅速化が図られています。

なお、簡易配当は、さらに、①少額型(204Ⅰ①)、②開始時異議確認型(同②)、③配当時異議確認型(同③)の3種類があります。

②の開始時異議確認型簡易配当は、静岡地裁本庁の運用としては、実施していません。

3 同意配当

同意配当とは、届出破産債権者全員の同意を条件として、正式配当・簡易配当によらず、配当表、配当額並びに配当の時期及び方法を管財人が定めて行う配当です。

これも、破産管財人が、裁判所書記官の許可を受けて行われます。

同意配当を用いるのが有効な場面としては、①簡易配当及び最後配当では除斥されることとなる債権者を配当に加えるのが相当と考えられる場合(例:全債権者が別除権者でいずれも不足額が確定していない場合など)、②実質的公平の見地から一般破産債権者間の配当率に差異を設けるのが相当であると考えられる場合(例:零細企業の請負代金債権で労働債権と同視しうるものがある場合など)などが考えられます。

同意配当は、全債権者から速やかに同意が得られるのであれば、最も迅速かつ簡便に配当を行えるという利点がありますが、同意がなかなか得られないような場合は、かえって時間がかかってしまうという難点及び知られざる債権者が存在する可能性が皆無である必要がある点を考慮し、この配当方法の選択については、債権者の動向につき最も熟知している立場である管財人の判断に委ねられています

4 中間配当

中間配当とは、破産債権についての一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後、破産財団の換価終了前に、配当に適した金銭があるときに実施する配当です。

しかし、管財人は、なるべく早期の最後配当を目指すべきであり、中間配当はその必要性をよく吟味する必要があります。

5 追加配当

追加配当とは、管財人が配当額の通知を発した後等に、新たに配当に充てることができる相当の財産があることが確認されたとき(例:隠匿財産が発見された場合など)に実施する配当です。

ただし、配当手続に要するコストを投下するに足りる程度の規模を有することが前提であると解されます。このため、債権者数、配当額、配当費用等を考慮して、事案に応じて、破産管財人に対する追加報酬とされることもあります。

追加配当は、最後配当、簡易配当又は同意配当について作成された配当表に基づいて行われます。

なお、破産手続終結後に財産が発見された場合にこれを追加配当原資とすべきかについては議論があります。

この点、判例は、破産手続終結後の破産者の財産に関する訴訟については、当該財産が破産財団を構成し得るものであったとしても、破産管財人において、破産手続の過程で破産終結後に当該財産をもって追加配当の対象とすることを予定し、又は予定すべき特段の事情がない限り、破産管財人に当事者適格はないとしたものがあります(最判平5.6.25)。

この判例によれば、手続過程に現れた事情に基づいて配当原資とすべき特段の事情があるかどうかにより決せられることになると解されます。


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