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【交通事故㉝】従業員等の事故による会社の損害を加害者に請求できる?

私の経営する会社の従業員が交通事故に遭い、欠勤したため、会社の営業成績が低下し、その分、会社の収益が減少しました。このような場合、会社は、加害者に対し、会社の収益減少による損害を請求できますか?

ご質問の件について、裁判例は、従業員等(企業主の場合も同様です。)の受傷と企業の損害との間に相当因果関係があると認められる場合には、加害者に対する損害賠償請求を認めています(大阪地裁昭和52年7月29日判決、名古屋地裁平成19年10月26日判決)。

最高裁昭和43年11月15日判決は、個人会社(薬局)代表取締役の受傷事故について、会社と受傷者が経済的に同一体性の関係にあって、代表取締役が会社の機関として代替性がない場合には、会社の収益減少による損害は、同人の受傷と相当因果関係に立つ損害であるとしています。

もっとも、この最高裁判決は、実質的には、間接被害者である会社には原則として賠償請求を認めない立場に立つものであると解されています。

では、いかなる場合に、従業員等の受傷と企業の損害との間の相当因果関係が認められるのでしょうか。

この点、裁判例を見ますと、①事故当時資本金150万円、従業員不在の水道工事を業とする有限会社代表取締役(男・事故当時54歳)の受傷事故による会社の企業損害を否定した例(東京高裁平成13年1月31日判決)、②資本金が最初は100万円、事故後約7か月経過して800万円に増資、従業員約15名が在籍する土木建築請負を目的とする会社の代表取締役及びその妻が受傷して勤務不能となった事例において会社の逸失利益と事故との間の相当因果関係を否定した例(岡山地裁倉敷支部昭和55年2月4日判決)、③受傷した個人会社の代表者(男・症状固定時58歳)に会社から支払った休業損害と逸失利益について、事故との相当因果関係を認めた例(東京地裁八王子支部平成16年6月30日判決)、④会社代表取締役の受傷により、会社が支払った役員報酬のうち80%相当額を、稼働の対価として認め、入院中は100%、退院後の403日間は50%、その後の336日間は25%の限度で事故と相当因果関係のある損害と認めた例(東京地裁平成10年9月21日判決)などがあります。


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