【遺産相続⑤】お腹の赤ちゃんは相続できるの?

私は、現在、妊娠6か月です。先日、夫が交通事故で死亡しました。夫の遺産をお腹の赤ちゃんは相続できるのでしょうか?

人が権利を取得したり、義務を負うのは、出生後であるとするのが民法の原則です。
しかし、民法は、例外的に、相続遺贈及び不法行為に基づく損害賠償請求の3つの場合に限り、胎児が無事に生まれてくることを条件に権利を有することを認めています。
したがって、ご質問の場合にも、お腹の赤ちゃんが無事生まれてくればご主人の財産をあなたと半分ずつ相続できます。
今回のような場合には、お腹の赤ちゃんが生まれてくるのを待ってから、遺産分割の協議をしなければいけません。お腹の赤ちゃんが出生するまでは、赤ちゃんを代理して協議をすることはできません。
そして、お腹の赤ちゃんの出生後に遺産分割をする場合でも、相続人はあなたとお子さんの2人であり、相続に関して、母親と子どもの利害が対立するケースですので、母親であるあなたが相続放棄をしない限り、たとえ親権者であっても、子どもを代理して遺産分割協議を行うことはできません。
この場合、母親であるあなたが、家庭裁判所に子どもの特別代理人の選任の申立てをして、あなたとその特別代理人が遺産分割協議を行うことになります。