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【遺産相続㊲】死亡退職金は相続財産に含まれる?

死亡退職金は相続財産に含まれますか。

1 実務においては、死亡退職金に関する支給規定があるか否かで取扱いを分けています
規定がある場合には、支給基準、受給権者の範囲又は順位などの規定により遺産性を検討し、これがない場合には、従来の支給慣行や支給の経緯等を勘案して個別的に遺産性を検討することになります。
したがって、退職金支給規程等の確認が必要となります。
2 国家公務員の死亡退職手当は、受給権者固有の権利であり、相続財産ではありません
国家公務員退職手当法2条、2条の2は、受給権者を遺族とし、受給権者の範囲及び順位を法定しています。
3 地方公務員である県学校職員の退職手当についても、相続財産ではありません(地方公務員法24条6項、地方自治法204条3項、最高裁昭和58年10月14日判決)。
4 私立の学校法人の職員の死亡退職手当については、原則として相続財産ではありません(最高裁昭和60年1月31日判決)。
5 特殊法人の職員の死亡退職金についても、相続財産ではありません(最高裁昭和55年11月27日判決)。
6 死亡退職金支給規程の定めのない財団法人が、死亡した理事長の配偶者に対して死亡退職金の支給決定をした上でこれを支払った場合、死亡退職金は、配偶者個人に支給されたものとして、遺産性は否定されます(最高裁昭和62年3月3日判決)。
7 遺族給付(社会保障関係の特別法によって、死者と一定の関係にある親族に対してなされる給付。損失補償、遺族年金、弔慰金、葬祭料等)は、相続財産ではありません(大阪家審昭和59年4月11日)。