Monthly Archives: 6月 2014

不当労働行為89(ニチアス羽鳥工場事件)

おはようございます。 今週も一週間、がんばっていきましょう!!

さて、今日は、元従業員のアスベストによる健康被害に対する補償制度等を議題とする団交と誠実交渉義務に関する命令を見ていきましょう。

ニチアス羽鳥工場事件(神奈川県労委平成26年1月8日・労判1086号95頁)

【事案の概要】

本件は、X組合が、Y社の羽鳥工場において就労中にアスベストにばく露したAおよびBの加入を受け、Y社に対し、アスベスト健康被害に対する補償制度等を議題とする団交を申し入れたところ、Y社が、団交には応じるものの、交渉の対象をA及びBの各個人の問題に限るとの対応に終始したことは、労組法7条2号に該当する不当労働行為であるとして救済申立てをした事案である。

【労働委員会の判断】

Y社の不誠実交渉は不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 一般に会社には、組合の申し入れた義務的団交事項を議題とする団体交渉に誠実に応じる義務があり、組合の要求に対する回答や事故の主張の根拠を具体的に説明したり、必要な資料を提示するなどして、組合の理解や納得を得られるよう誠意をもって団体交渉に当たることが求められる

2 これを本件についてみると、Y社は、本件団体交渉の申入れ直後から、A及びB個人の問題に関する限度で団体交渉に応じるとの基本的な姿勢を示し、本件団体交渉を通じてその姿勢を変えていない。しかし、かかる姿勢は、義務的団交事項をA及びBに係る権利主張としての補償要求に限定する会社の考え方を前提にしているが、本件要求事項の大部分が義務的団交事項に当たる以上、本件要求事項について説明や資料の提示をしないというY社の対応は、正当な理由がない限り、不誠実であるというべきである

3 ・・・時の経過とともにアスベスト疾病の悪化した元従業員が存在することをY社はホームページで認めており、このようなアスベスト健康被害の実態を十分に把握していたことからすれば、Y社は両名の症状が悪化した場合の対応について組合の理解や納得を得るよう十分な説明を尽くさなければならないというべきである。

4 以上のとおり、Y社は組合の理解や納得を得るために誠意をもって本件団体交渉に当たったものとは認められないから、その対応は不誠実な団体交渉に当たる。

義務的団交事項にもかかわらず、合理的な理由なく団交に応じないとこのような結論になります。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介335 一流役員が実践している仕事の哲学(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。
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←先日、七間町にある「つけ麺専門店 きじ亭」に行ってきました。

写真は、「味玉油そば 魚介味」です。

早めに行かないと、あっという間に席が埋まってしまいます。

おいしゅうございました。今度は、隠れメニューを食べてみます。

ラーメンだけでなく、店主もいい味を出しています。

今日は、午前中は、離婚訴訟が2件入っています。

午後は、建物明渡しの裁判が1件、債権回収の裁判が1件入っています。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。
一流役員が実践している仕事の哲学

この本のおもしろいのは、すべての対応方法について、「平社員は・・・」、「部長は・・・」、「役員は、・・・」とか、「三流は・・・」、「二流は・・・」、「一流は・・・」と比較する形で書かれているところです。

すべてを鵜呑みにする必要はないと思いますが、著者がこれまで見てきたいわゆる「一流」のビジネスマンがどのような習慣・特徴を持っているのかを知り、自分の日常生活に取り入れてみるとよいと思います。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

・・・ですから、出生した人の22時とは普通の人の24時、もう夜中という感覚です。朝から積み上げていって1日を過ごすのではなく、次の日の朝から逆算して、今日の行動を決める。行動の流れが全く逆なのです。・・・出世している人たちは、全てのことをゴールから考え、そこに向かって行動する。だからこそ人よりも秀でることができるのだと思います。接待の時間通りにやって来て、サッと去って行く姿を見て、そんなふうに感じずにはいられません。」(26頁)

夜遅くまで飲んでいても、仕事をばりばりやっている人もいるので、なんともいえないところです。

ただ、やはり、私のまわりの経営者は、早起きの方が多い気がします。

朝が早いので、必然的に夜は眠たいのです。 早く家に帰って寝たいのです(笑)

久しく2次会には行っていません。

ほぼ毎回、1次会終了とともに姿を消します(笑)

幼稚園の年長さんレベルの早寝です。

もうこの早起きの習慣は、ずっと前から続いています。

事務所での朝のミーティングが始まるまでの約3時間がゴールデンタイムですね。

この時間は、集中力が1日のうちで最も高いため、猛烈に仕事が進みます。

この朝の3時間を毎日続けてきたことが、今の自分をつくっていると思います。

継続は力なり。

解雇145(社会保険労務士法人パートナーズほか事件)

おはようございます。

さて、今日は、能力不足を理由とする試用期間途中の解雇に関する裁判例を見てみましょう。

社会保険労務士法人パートナーズほか事件(福岡地裁平成25年9月19日・労判1086号87頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に勤務していたXが、試用期間途中のY社による平成24年4月3日付け解雇は無効であるなどとして、Y社に対しては、本件解雇からY社の解散(平成24年9月1日)までの間の平成24年5月分から同年8月分の給与を請求するとともに、Y社解散後に実質的に同法人を引き継いだZに対し、雇用契約上の地位の確認及び平成24年5月分から本判決確定の日までの給与を請求し、また、Y社らに対し、本件解雇が不法行為に当たるとして連帯して慰謝料及び弁護士費用の合計140万円の支払を求めたものである。

本件においては、Zは、本件解雇(留保解約権行使)の有効性のみを争い、XとY社との関係で、本件解雇が無効となった場合に、ZがY社と同様の労働契約関係及び給与債務(Y社解散前の分の連帯債務)を負うことについては争いがない

【裁判所の判断】

解雇は無効

Y社らは、連帯して、平成24年5月から同年8月までの給与を支払え

Zは、平成24年9月から本判決確定の日まで、給与を支払え

その余の請求は放棄

【判例のポイント】

1 ・・・これらの事情からすると、Zは、XをY社に採用する時点で、Xは社労士として実績のない初心者であり、無償の手伝いでも良いから経験を積みたいと申し出ている者であって、Y社を出て行くDと同レベルでないことを十分認識していたと認めるのが相当である。

2 Y社の職員であったHは陳述書において、Xは社労士試験レベルの基礎知識も欠落しているのではないと感じた等と述べており、Xの能力が明らかに劣っているかのように記載する。しかしながら、Hについては、Y社が証人尋問を申請していたが尋問期日に出頭せず、後に申請が撤回された経緯があり、すでに述べた内容を超えては採用しがたい

3 以上によれば、本件解雇は、Y社における試用期間の趣旨目的に照らして、客観的に合理的な理由が存し、社会通念上相当として是認されるものとはいえず、無効であり、地位の確認及び給与の請求部分には理由がある。

4 もっとも、慰謝料及び弁護士費用の請求については、社労士の業務が法律上の資格に基づくものであって一定の能力が要求されること、Y社の規模、Xが本件申請手続前に事前確認を怠っていること、Xについてはコミュニケーション不足の面が窺われること、Z自身の本件解雇に関する認識を考慮すると、本件解雇が不法行為を構成するとは言いがたく、理由がない。

Y社とZの同一性が争点になると思いきや、そこは争っていないようです。

全体的に解雇の正当性の立証が不十分であるようです。

試用期間中であるとはいえ、留保解約権も解雇ですから、そう簡単にはできません。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介334 人生の大則(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は本の紹介です。
人生の大則

著者は、致知出版社の社長です。

タイトルがいいですね。

帯には、「この世に絶対不変の真理はあるだろうか?」と書かれています。

この世は絶対不変ではない、ということが絶対不変の真理でしょうか・・・?

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

以前、ある経営者に、人生で一番大切なものは何かと尋ねたことがある。その人は『それは自分にもわからないが、こういう人は絶対に成功しないという条件はある』と答えられ、次の四項目を挙げられた。
一つは言われたことしかしない人、二つは楽をして仕事をしようとする-そういうことが可能だと思っている人、三つは続かないという性格を直さない人、そして四つはすぐに不貞腐れる(ふてくされる)人である。」(38頁)

なるほど。 肝に銘じておきます。

私は、習慣を重視していますので、この4つの項目の中で、3つ目の「続かないという性格を直さない」ということは見逃すことができません。

継続しないことにはどうやったって成果を出すことはできません。

このことはもうほとんど争う余地がないことです。

問題は、そのことをわかってはいるけれど、どうしても続けられないという点です。

この本では「性格」という言葉を使っていますが、私は、「性格」という言葉で説明をすることは好きではありせん。

継続できるかどうかは「性格」の問題ではなく、「習慣」の問題だからです。

そして、継続することを習慣化するのに必要なのは、「技術」だと考えます。

勉強ができる人は、みなこの技術を習得しているのです。

怠惰で飽きっぽくて面倒くさがり屋の自分が、目の前の課題を克服するためにどうすればいいのかを知っているのです。

性格ではなく、技術の問題だと割り切れば、気持ちが楽になりませんか?

解雇144(X庁懲戒免職処分取消請求事件)

おはようございます。

今日は、午前中は、労働事件の裁判が1件、公証人役場で公正証書作成が1件入っています。

午後は、事務所で書面作成です。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は、公務員に対する酒酔い運転を理由とする懲戒免職処分の取消請求に関する裁判例を見てみましょう。

X庁懲戒免職処分取消請求事件(東京地裁平成26年2月12日・労経速2207号3頁)

【事案の概要】

本件は、Y庁の職員であったXが、酒酔い運転を理由として、Y庁長官から平成21年3月2日付けで国家公務員法82条1項1号及び3号に基づく懲戒免職処分を受けたことから、本件処分の違法性を主張してその取消しを求める事案である。

【裁判所の判断】

懲戒免職処分を取り消す

【判例のポイント】

1 本件酒酔い運転が懲戒処分の対象とされるべきことは明らかであり、人事院作成の処分指針によれば、標準的な懲戒処分が免職又は停職とされていること、Y庁において準用されている農水省の処分方針によれば、免職が処分の目安とされ、特に情状酌量すべき場合、その他特に必要と認める場合は、目安の一ランク軽い処分とすることができるとされている。

2 Y庁長官は、免職を相当として本件処分を行ったが、国公法82条1項所定の懲戒処分のうち、免職処分は、職員としての身分を奪うものであり、停職処分以下の懲戒処分とは質的に異なるものであるから、その選択については慎重な検討を要する

3 本件酒酔い運転は、結果的に、走行距離が94メートル程度と短く、人損事故も物損事故も発生させておらず、自動車を農政事務所の駐車場に駐車した後、徒歩で居酒屋2軒とおでん屋を回り、タクシーで宿泊予定場所であるDの部屋のある独身寮に移動しており、駐車した時点においては、飲酒の上で自動車の運転をする意図は全く有していなかったものと推認することができる。加えて、Xは、約23年間にわたり国家公務員として勤務し、その間、勤続20年の表彰を受け、本件処分以外の懲戒処分歴を有していない。また、少なくとも本件酒酔い運転に至るまでの約7年8か月間において、交通違反歴を有していない

4 以上の諸事情を総合考慮すれば、Xを停職ではなく免職とした本件処分は、本件酒酔い運転に対する処分量定として重きに失するというべきであり、社会観念上著しく妥当を欠いて裁量権の範囲を逸脱し、これを濫用した違法があるものと認めるのが相当である。

相当性判断のところで、救われました。

丁寧に事実を拾い上げ、裁判所に示すことが大切ですね。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介333 鏡の法則(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間、がんばっていきましょう!!
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←先日、呉服町の「北前そば 高田屋」に行ってきました。

写真は、「天丼 ごまそばのセット」です。

裁判所からの帰りによく行くお店ですが、ランチタイムはサラリーマンで満席です。

おいしゅうございました。

今日は、午前中は、不動産関係の裁判が1件、新規相談が1件入っています。

午後は、新規相談が2件入っています。

夕方から月一恒例のラジオです。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。
鏡の法則 人生のどんな問題も解決する魔法のルール

この本は、日常的によくありそうなストーリーを通じて、「鏡の法則」の意味を教えてくれています。

で、結局、鏡の法則ってなに?という方は、是非、この本を読んでみて下さい。

薄い本なので、すぐに読めますよ。 おすすめです!

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

じつは、人生で起こるどんな問題も、何か大切なことを気づかせてくれるために起こるんです。つまり偶然起こるのではなくて、起こるべくして必然的に起こるんです。ということは、自分に解決できない問題は決して起こらないのです。起きる問題は、すべて自分が解決できるから起きるのであり、前向きで愛のある取組さえすれば、後で必ず『あの問題が起きてよかった。そのおかげで・・・・・・』と言えるような恩恵をもたらすのです。」(40~41頁)

これを「必然の法則」というそうです。

すべてを「機会」と捉えるという発想ですね。

「機会」=「チャンス」です。

大切なのは、日頃からすべての出来事を「機会」と捉えるくせをつけておくことです。

大きなトラブルに巻き込まれたときに、いきなり「すべてはチャンスである」と考えるのは難しいです。

「前向きだね」「ポジティブだね」と言われる人は、日頃からあらゆる出来事を機会と捉えることができる人なのでしょう。

最初は、強がりでもなんでもいいんです。

考え方の習慣を変えるが人生を変えることだと確信しています。

解雇143(F1社ほか事件)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

さて、今日は、会社解散に伴う解雇に関する裁判例を見ていきましょう。

F1社ほか事件(静岡地裁沼津支部平成25年9月25日・労経速2204号3頁)

【事案の概要】

本件は、Y1社の従業員であったXらが、平成22年2月9日にY1社から会社解散を理由として同日をもって解雇する旨の意思表示を受けたことから、Xらが、前記解雇は解雇権濫用により無効であるなどと主張して、Y1社、Y2社などに対し、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、Y1社らに対し、同年3月1日以降の賃金又は不法行為に基づく賃金相当額の損害賠償金の支払いを求め、さらに、違法な前記解雇によりXらが精神的苦痛を被ったなどと主張して、Y社らに対し、不法行為に基づく損害賠償金360万円及びこれに対する遅延損害金の支払いを求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 解雇が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効なところ(労働契約法16条)、会社が解散した場合、会社を清算する必要があり、もはやその従業員の雇用を継続する基盤が存在しなくなるから、その従業員を解雇する必要性が認められ、会社解散に伴う解雇は、客観的に合理的な理由を有するものとして、原則として有効であるというべきである。しかし、会社が従業員を解雇するに当たっての手続的配慮を著しく欠き、会社が解散したことや解散に致った経緯等を考慮してもなお解雇することが著しく不合理であり、社会通念上相当として是認できない場合には、その解雇の意思表示は、解雇権を濫用したものとして無効となるというべきである。

2 本件解散やそれに伴う解雇予定等について事前に説明がないまま本件解雇に至ったことについては手続的配慮を欠く面があったことは否定できないが、従前の賃金改定がなされなければ存続できなくなる厳しい経営状況にあること等について説明がされていたこと、本件解雇後ではあるものの、元従業員の再就職に関する措置を講じており、これ以上の再就職に関する措置をなし得たと認められないことに加え、タクシー需要が減少している状況やY1社の経営状況から早期の解散という選択が不合理であるとはいえないことを合わせて考慮すれば、Y1社が従業員を解雇するに当たっての手続的配慮を著しく欠いているとまではいえない
以上によれば、本件解散に伴う本件解雇は、客観的に合理的な理由を有し、社会通念上相当であると認められるから、無効とはいえない。

上記判例のポイント1が解散に伴う解雇(整理解雇)の規範です。

通常の整理解雇の4要素よりもさらに厳しいですね。

解散する以上、原則として解雇はしなければならないというところからくるものです。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介332 自信は「この瞬間」に生まれる(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は本の紹介です。

以前もブログで紹介をしました「エリートの条件」の著者である柳沢先生の本です。

何かを成し遂げようとするとき、できるという揺るぎない自信です。

自信はどのようにしてつくられるのかがこの本には書かれています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

人生で一番大切なのは、『後悔しないこと』。結局、それが心地よく人生を送る秘訣なのだと思います。ですから、『成功』とは『後悔しないこと』と言えるのではないでしょうか。人生を後悔しない唯一の方法は、『あれ以上はできなかった』と思えるまでやること。『これ以上は無理!』というギリギリの限界点までやり尽くす。そうすれば、『あそこまでやってダメなら、自分には向いていなかったんだな』とスッキリあきらめがつきます。」(91頁)

こういう経験を一度でもしている人は、強いですよね。

私たち弁護士は司法試験を受験し、合格しています。

ほとんどの合格者は、「これで受からなければあきらめよう」というところまで勉強をし、合格しています。

自分で目標を設定し、その目標を達成する。

簡単ではない目標のほうがいいです。

その目標に向かって、「死ぬ気で準備する」。

決してあきらめず、目標達成という成功体験をする。

自信は、結果からしか生まれない。

労働時間36(レガシィほか事件)

おはようございます。

さて、今日は、税理士資格を有さず、税理士名簿への登録も受けていなかった者の業務は専門業務型裁量労働制の「税理士の業務」とはいえないとされた裁判例を見てみましょう。

レガシィほか事件(東京高裁平成26年2月27日・労経速2206号3頁)

【事案の概要】

本件は、Y社ら双方に雇用されていたXが、Y社らに対し、時間外労働についての割増賃金の未払があるなどとして、割増賃金、遅延損害金、付加金等を求めた事案である。

Y社らは、Xには裁量労働制が適用されるなどと主張して争った。

なお、一審は、裁量労働制の適用を否定し、Y社らに対し、約200万円の割増賃金の支払+20万円の付加金の支払いを命じた。

【裁判所の判断】

遅延損害金について、14.6%(賃確法6条1項)を商事法定利率の6%に変更した。

付加金の支払を命じた一審の判断を変更し、付加金の支払いは命じなかった。

その余は控訴棄却

【判例のポイント】

1 賃確法6条2項は、賃金の支払遅滞が「天災地変その他のやむを得ない事由で厚生労働省令で定めるものによるものである場合」に同条1項を適用しないとしていて、これを受けた賃確法施行規則6条は、厚生労働省令で定める遅延利息に係るやむを得ない事由として、天災地変(1号)、事業主が破産手続開始の決定を受け、又は賃金の支払の確保等に関する法律施行令2条第1項各号に掲げる事由のいずれかに該当することとなったこと(2号)、法令の制約により賃金の支払に充てるべき資金の確保が困難であること(3号)、支払が遅滞している賃金の全部又は一部の存否に係る事項に関し、合理的な理由により、裁判所又は労働委員会で争っていること(4号)、その他前各号に掲げる事由に準ずる事由(5号)を規定している。本件では、Xの時間外労働の割増賃金支払の前提問題として、専門業務型裁量労働制がXに適用されるか否かが争点の一つとなっていて、その対象業務の解釈が争われているところ、この点に関する当事者双方の主張内容や事実関係に照らせば、Y社らがXの割増賃金の支払義務を争うことには合理的な理由がないとはいえないというべきである。したがって、Xの未払割増賃金に対する遅延損害金については、商事法定利率によるべきこととなる。

2 本件に顕れた一切の事情、特に、賃確法6条1項及び同法施行令1条による年14.6%の割合による遅延損害金の支払い請求の当否について判断したところを考慮すると、本件においては、Y社らに対し、労働基準法114条所定の付加金の支払いを命じるのは相当ではない。

一審判決については、こちらを参考にしてください。

上記判例のポイント1は非常に重要です。

使用者側としては、是非、この裁判例を参考にして争ってみてください。

労働時間に関する考え方は、裁判例をよく知っておかないとあとでえらいことになります。事前に必ず顧問弁護士に相談することをおすすめいたします。

本の紹介331 トリガー・フレーズ(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は本の紹介です。

トリガー・フレーズ―自分にスイッチを入れる170の言葉 (日経ビジネス人文庫)

レバレッジシリーズで有名な本田さんの本です。

これまでのご自身の本の中から「自分にスイッチを入れる」170のフレーズをピックアップしたものです。

まとめ本ですね。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

本を読まないで仕事をするビジネスパーソンは、練習をしないで試合に臨むスポーツ選手のようなもの。試合に勝ちたいなら、練習しないわけにはいきません。」(137)

本を読めば、そこに近道を行く方法が書いてあるというのに、本を開く時間を惜しんで、わざわざ遠回りをしている」(144)

まったくそのとおりだと思います。

私は、見ての通り、本を読むのがとても好きです。

読書は、いわば「仕入れ」ですよね。

「本を読む時間がない」とよく言いますが、これは正確には「本を読む気がない」という意味です。

トイレに入る時間があるのなら、イコール本を読む時間はあります。

電車で通勤する時間があるのなら、イコール本を読む時間はあります。

結局のところ、自分で「本を読まない」という選択をしているだけです。

「In the end, we are choices.」

これは、アマゾンのジェフ・べゾスの言葉です。

つまるところ、我々はこれまでの選択の総体であると。

日々の正しい選択の結果が今の自分を作り出しているわけです。

10年後、どんな自分になっていたいか。

それを考えれば、日々、どのような選択をすべきかが見えてきますね。