Daily Archives: 2016年7月22日

不当労働行為146(高槻市(交通部)事件)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は、組合との協定締結拒否と不当労働行為に関する命令を見てみましょう。

高槻市(交通部)事件(大阪府労委平成28年1月8日・労判1134号93頁)

【事案の概要】

本件は、道路交通法により免許停止となった市営バス乗務員である非常勤職員の失職に関する協定締結に応じなかった市の対応が不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 市はX2とは協定を締結しながら、組合と協定を締結しない理由として、平成25年4月1日付けの改正により非常勤職員就業要綱に1日免停で失職しないことが盛り込まれたことを挙げる。
しかし、非常勤職員就業要綱は、使用者たる市がその考えにより設定、変更するものであるのに対し、協定書は労使間の合意であり、その内容を変更しようとすれば、協定の相手方である組合の意向を無視することはできないのであるから、組合が両者の性質は異なるとして、協定化を求めるのには理由があり、非常勤職員就業要綱が従前からの組合の要求を満たすように改正されたからといって、市が組合からの協定締結申入れに応じる必要はないというものではない

2 以上のとおりであるから、市が組合との間で、X2協定書と同内容の協定を締結しないことは、組合員の労働条件に関する組合からの要求事項について協定化を拒み、正当な理由なくX2に比して均衡を欠く扱いをしたものというのが相当であって、かかる行為は組合を弱体化するものであり、組合に対する支配介入に当たり、労働組合法7条3号に該当する不当労働行為である。

他組合との比較で労使協定を締結しないことが支配介入にあたると判断されています。

複数組合が存在する場合には、注意が必要です。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。