Daily Archives: 2011年1月22日

労災37(リクルート事件)

おはようございます。

昨夜は、旅行代理店静岡支店長Aさんと毎度おなじみのYさんと新年会でした

Aさん、電車間に合わなかったですね・・・

次回は、Yさんと遠征に行きますよ!!

今日は、特に予定が入っていないので、書面を作成します。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は、労災に関する裁判例を見てみましょう。

リクルート事件(東京地裁平成21年3月25日・判時2061号118頁)

【事案の概要】

Y社は、就職情報誌の発刊その他各種情報の提供、企業の人事・組織等に関する各種サービスの提供等を行う会社である。

Xは、Y社の従業員として、就職情報事業編集企画室に配属され、その後、インターネット上の就職情報サイトの編集制作職として業務に従事していた。

Xは、休日に、自宅でくも膜下出血を起こし、死亡した(死亡当時29歳)。

【裁判所の判断】

中央労基署長による遺族補償給付等不支給処分は違法である。
→業務起因性肯定

【判例のポイント】

1 労働基準法及び労災保険法に基づく保険給付は、労働者の業務上の死亡について行われるが、業務上死亡した場合とは、労働者が業務に起因して死亡した場合をいい、業務と死亡との間に相当因果関係があることが必要であると解される。
また、労働基準法及び労災保険法による労働者災害補償制度業務に内在する各種の危険が現実化して労働者が死亡した場合に、使用者等に過失がなくとも、その危険を負担して損失の補填の責任を負わせるべきであるとする危険責任の法理に基づくものであるから、上記にいう、業務と死亡との相当因果関係の有無は、その死亡が当該業務に内在する危険が現実化したものと評価し得るか否かによって決せられるべきである。

2 そして、脳・心疾患発症の基礎となり得る素因又は持病を有していた労働者が、脳・心疾患を発症する場合、様々な要因が上記素因等に作用してこれを悪化させ、発症に至るという経過をたどるといえるから、その素因等の程度及び他の危険因子との関係を踏まえ、医学的知見に照らし、労働者が業務に従事することによって、その労働者の有する素因等を自然の経過を超えて増悪させたと認められる場合には、その増悪は当該業務に内在する危険が現実化したものとして業務との相当因果関係を肯定するのが相当である。

3 Xのくも膜下出血発症前の6か月間において証拠上明らかに認められる1か月当たりの時間外労働時間は、39時間22分、67時間32分、83時間44分、25時間30分、71時間20分、50時間30分になるところ、Xは、これに加えて、1か月に1、2回の休日労働や一定の時間外労働に従事していたことや、平日の深夜ないし未明や休日に自宅で業務を行っていたことが推認できる。そして、Xは、週に数回、徹夜ないしはそれに近い状況で業務を行うことを繰り返しておりその業務自体から直ちに過重な精神的負荷を受けていたとはいえないとしても、質の高い仕事を行うべく一定の精神的負担を受けていたことを考慮すると、Xの業務は、特に過重なものであったというべきである

4 Xは本件疾病であるくも膜下出血を発症しているのであるから、その発症の基礎となり得る素因等又は疾患を有していたことは明らかであるが、その程度や進行状況を明らかにする客観的資料がないだけでなく、同人は死亡当時29歳と相当程度に若年であり、死亡前に脳・心臓疾患により医療機関を受診したり受診の指示を受けた形跡はなく、血圧についても境界域高血圧又はこれを僅かに超える程度のものに過ぎず、健康診断においても格別の異常は何ら指摘されていないことから、・・・他の確たる発症因子がなくてもその自然の経過により血管が破裂する寸前にまで進行していたとみることは困難である。

深夜までの勤務や休日勤務、徹夜での勤務をしている従業員の方は、やはり健康状態に気をつけなければいけません。

・・・私も気をつけなければいけませんね

まだまだ大丈夫、自分は大丈夫、と思っていても、たまにはちゃんと休養をとるべきですね。

と、自分に言い聞かせています。