Monthly Archives: 6月 2016

本の紹介564 人を動かす人になれ!(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
「人を動かす人」になれ!―すぐやる、必ずやる、出来るまでやる

日本電産永守社長の本です。

20年程前に出版された本ですが、経営に対する厳しさは今も昔も変わりません。

経営者のみなさん、経営者を目指すみなさんは必読の一冊です。

おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

わが社も例外ではないが、どこの会社にも『給料が安い』と不満をいう社員がいる。だが、自分の手取りの給料の五倍の利益(売上ではない)をあげている社員以外、こんなことをいう資格はないのである。・・・会社は給料の約二倍の人件費を負担している。具体的には、健康保険や厚生年金などの法定福利費、所得税や住民税、退職金のほか、毎月の交通費、いろんな補助も行っている。つまり、賞与は別にしても、給料の五倍ぐらい働いても、収支はトントンだということだ。だから、給料の五倍以上の利益をあげている社員なら『給料が安い』という資格はあるが、それ以外であれば給料泥棒だ。」(160~161頁)

このご時世、ここまで正直に意見を言える経営者はあまりいないと思います。

会社を経営したことがある人なら、みな、容易に理解できることですが、給与所得者の立場でこのことを理解するのは、実際のところ、容易ではありません。

給与を支払う側になってはじめてわかることも少なくありません。

自分が受け取る給料の何倍、会社が負担しているのか、目に見えない負担まで考えられる従業員はそれほど多くありません。

経営者は従業員のことに思いを馳せ、従業員は経営者のことに思いを馳せる、そんな職場でありたいですね。

解雇205(甲化工事件)

おはようございます。

今日は、遺失金着服を理由とする懲戒解雇処分が有効とされ、会社の損害賠償請求が認められた裁判例を見てみましょう。

甲化工事件(東京地裁平成28年2月5日・労経速2274号19頁)

【事案の概要】

第1事件は、Y社と雇用契約を締結したXが、Xは、Y社から、Y社において遺失金が発生したところXが本件遺失金を着服し、私的に費消したことを理由い、懲戒解雇処分を受け、平成26年9月1日をもってY社を解雇されたが、本件処分は無効である旨を主張して、Y社に対し、Xが本件契約上の権利を有する地位にあることの確認を求め、あわせて、本件契約に基づき、給与及び賞与+遅延損害金の支払を請求した事案である。

第2事件は、Y社が、Y社において本件遺失金が発生したところXは本件遺失金を着服し、私的に費消した旨、また、上記本件遺失金が発生したのはXによる本件営業所の現金の管理等に過失があったからである旨を主張して、Xに対し、不法行為に基づき、平成24年3月30日から同年6月24日までの本件遺失金相当額及び弁護士費用+遅延損害金の支払を請求した事案である。

【裁判所の判断】

Xの請求をいずれも棄却

XはY社に対し、342万9210円+遅延損害金を支払え

【判例のポイント】

1 Xは本件営業所の経理担当責任者として本件営業所の経理事務に従事していたところ、本件営業所において少なくとも平成24年3月30日から平成26年6月24日までの間に311万7464円の本券営業所の金員を故意に着服し、私的に費消したものというべきである。
Xの上記行為は、本件就業規則の規定にいう懲戒解雇の事由に当たるものというべきである。

2 XのY社における職位、Xが上記行為を行った期間及びXが着服、費消した金額にかんがみれば、XがY社から上記行為を理由に懲戒解雇を命じられることもやむを得ないというべきであって、本件処分の相当性に欠けるところはないというべきであるし、また、本件処分は労働基準法20条1項但書の「労働者の責に帰すべき事由に基づき解雇する場合」に当たるものというべきである。

3 仮にXがY社から本件ヒアリングにおいて本件退職届を作成して提出するよう強く要求されていたとしても、その後の時間の経過及びXの代理人弁護士の立会いをも勘案すれば、Xには、本件処分に関し、弁明の機会が十分に与えられていたというべきである

4 以上の検討に照らせば、本件処分は有効なものというべきである。

横領事案の場合には、社内のうわさに基づいて懲戒解雇をしてはいけません。

しっかりと調査をし、事実確認を行った上で、弁明の機会を与え、その上で、懲戒解雇をしましょう。

手続を行う際は、顧問弁護士等のアドバイスを受けることをおすすめいたします。

本の紹介563 出世の教科書(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
出世の教科書

会社で「出世する人」と「窓際の人」を比較する形式で書かれています。

組織に属していない人でも、参考になる記載が多々あります。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

出世する人は、相手の話に『。』が出てくるまで話さない。
窓際の人は、相手の話に『、』が出てきたら話し始める。」(142頁)

出世する人は、いかに相手の話を膨らませるかを考える。
窓際の人は、いかに自分の話を膨らませるかを考える。」(148頁)

いかがですか。

みなさんの周りにも、こういう「窓際の人」いませんか?

人はみな、自分の話をするのが大好きです。

自分の話を聞いて欲しくてたまらないのです。

それに対して、人の話を聞くというのは、忍耐と技術を要するので、誰もができることではありません。

私たち弁護士という仕事は、「いかに上手に話すか」よりも「いかに上手に聞くか」のほうがよほど大切です。

「この弁護士に依頼したい」と思う主な理由は、きっと「この弁護士、話がうまい」ではなく、「この弁護士、話させるのがうまい」なのだから。

有期労働契約64(トミテック事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、図書館副館長の雇止めに関する裁判例を見てみましょう。

トミテック事件(東京地裁平成27年3月12日・労判1131号87頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で期間の定めのある労働契約を締結していたXが、Y社による同契約の更新拒絶は、信義則に照らし許されず、違法、無効であると主張して、労働契約上の権利を有する地位の確認を求めるとともに、労働契約に基づき、平成24年4月1日から平成25年7月15日までの15か月半の賃金+遅延損害金の支払を求める事案である。

【裁判所の判断】

雇止めは無効

【判例のポイント】

1 本件労働契約は、期間の定めのある労働契約であり、当初の契約期間は平成23年3月31日までであったが、同期間の満了時に更新され、契約期間が平成24年3月31日までになったものと認められるところ、Xにおいて、上記の新たな契約期間の満了時に同契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものと認められ、かつ、本件更新拒絶が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときには、平成24年3月31日の経過による期間満了後のXとY社との間の法律関係は、本件労働契約が更新されたのと同様の法律関係になるものと解するのが相当である。

2 Y社において、館長、副館長を含むb図書館の全ての職員について、期間の定めのある労働契約を締結したのは、雇用の前提となる同図書館の管理運営業務が、委託期間を5年とする時限的な業務であり、委託期間満了後の雇用維持を保障することができないことを主たる理由とするものと解することができ、その理由には合理性を認めることができるが、他方において、委託期間中は、司書となる資格を有する従業員を常時一定数配置しておく具体的必要性があり、期間の途中で従業員の数を減らすことが予定されていたとか、従業員の数を減らす必要が生じたなどの事情は認められず、むしろ、Y社は、図書館業務の効率的運営や職場環境の整備といった観点から、従業員を継続して雇用するとの方針をとっていたことが認められるから、Xにおいて、いまだ委託期間の中途である平成24年3月31日の経過による雇用期間の満了時に、本件労働契約が更新されるものと期待することには、合理的な理由があったというべきである。

3 C館長は、Xについて、「職員としての立場を自覚した行動が十分とれていない。」、「報告が少ない。」とか、「館長への報告や連絡が極めて少ない。」、「職員としての自覚が十分でない。」などといった記載のある書面を作成し、Y社に提出したことが認められる。
しかしながら、上記各書面の記載は、いずれも抽象的な表現にとどまり、そのような評価の根拠となった具体的事実の指摘はない。また、上記書面には「現在、棚替え、BDS、など多忙で、休日も自宅で仕事をしている状態で、きちっとした評価をするに相当する時間がとれません。」との記載があるから、上記各書面は、C館長が自発的に作成したものではなく、被告がC館長に作成を指示したものであると認められるところ、被告において、定期的な勤務評定が実施されているにもかかわらず、あえて上記書面の作成を指示した経緯及び目的は明らかでない。そうすると、上記各書面の記載をそのまま信用することはできないというべきである。
そして、以上のほかに、原告について、被告が主張するような業務遂行能力の不足や勤務態度の不良があったことを認めるに足りる証拠はない。
以上によれば、その余の点について検討するまでもなく、本件更新拒絶は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であるとは認められないというべきであるから、原告と被告との間には、本件労働契約が更新されたのと同様の法律関係が存在することになる。

従業員の能力不足や勤務態度不良を理由に解雇や雇止めをする場合、具体的な事実を記載した書面を証拠として提出する必要があります。

抽象的な理由だけで解雇・雇止めをしても、裁判所は認めてくれません。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。

本の紹介562 たった2分で、自分を超える本。(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は本の紹介です。
たった2分で、自分を超える本。: 心の「格差」を逆転する64のビジョン

この本のサブタイトルは「心の『格差』を逆転する64のビジョン」です。

格差は存在する。だから超えていくのだ。」とも書かれています。

とても前向きな本です。僕は好きです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

格差に対して不満を言っている人は、野口英世やヘレン・ケラーの伝記を読んだことがないのだろうか。以上の名前を挙げた人々が、どのようにして格差を超えたのかについても、本やインターネットですべて知ることができる世の中になった。これだけの環境が整備されていながら、格差という言葉を安易に使ってはいけないと私は思う。縄文時代も戦国時代も現代も、人間にはいつも二通りしか存在しなかった。文句ばかり言って一歩も動かない人間と、文句を言われながら動いた人間だ。」(27頁)

「人間にはいつも二通りしか存在しなかった。文句ばかり言って一歩も動かない人間と、文句を言われながら動いた人間だ」

この文章、私はすごく好きです。

そして、自分は後者でありたいと思います。

結局、文句や愚痴を言っていても、状況は何一つ変わらないことを自分が一番わかっているはずです。

自分で動かない限り、今の状況を変えることはできないのです。

解雇204(Y社事件)

おはようございます。

今日は、痴漢行為を理由とする諭旨解雇処分が無効とされた裁判例を見てみましょう。

Y社事件(東京地裁平成27年12月25日・労経速2273号3頁)

【事案の概要】

本件は、Y社と雇用契約を締結したXが、XはY社から懲戒処分である諭旨解雇処分を受け、平成26年4月25日付けでY社を解雇されたところ、本件処分は無効である旨を主張して、Y社に対し、Xが本件契約上の権利を有する地位にあることの確認を求め、あわせて、本件契約に基づき、上記平成26年4月25日の翌日以降の各賃金+遅延損害金の支払を請求した事案である。

【裁判所の判断】

諭旨解雇処分は無効

【判例のポイント】

1 従業員の私生活上の非行であっても、会社の企業秩序に直接の関連を有するもの及び企業の社会的評価の毀損をもたらすと客観的に認められるものについては、企業秩序維持のための懲戒の対象となり得るものというべきである
Y社は、他の鉄道会社と同様、本件行為の当時、痴漢行為の撲滅に向けた取組を積極的に行っており、また、Xは、Xが、本件行為を行った当時、Y社の駅係員として勤務していたというのである。これらの点に照らせば、本件行為は、Y社の企業秩序に直接の関連を有するものであり、かつ、Y社の社会的評価の毀損をもたらすものというべきである
したがって、本件行為は、Y社における懲戒の対象となるべきものというべきである。

2 ・・・本件行為ないし本件行為に係る刑事手続についてマスコミによる報道がされたことはなく、その他本件行為が社会的に周知されることはなかったというのである。また、本件行為に関し、Y社がY社の社外から苦情を受けたといった事実を認めるに足りる証拠も見当たらない。
以上にかんがみれば、本件行為がY社の企業秩序に対して与えた具体的な悪影響の程度は、大きなものではなかったというべきである。

3 Xが本件においてXに対する処分が決定する具体的な手続が進行していることを知らされず、このような中でXが同手続において弁明の機会を与えられなかったことについては、本件処分に至る手続に不適切ないし不十分な点があったものといわざるを得ない。この点に、本件行為はXを諭旨解雇処分とするに十分な事実とはいい難いことを合わせ考えれば、本件処分の手続の相当性には看過し難い疑義があるものというべきである。

4 自らに対する懲戒手続が進行している最中であることを具体的に認識して行う弁明と、これを具体的に認識しないで行う弁明とでは、弁明を行う者の対応等にもおのずと差違が生じ得るものというべきである・・・。以上にかんがみれば、Y社の指摘する上記事実をもって、Xに対する本件行為に係る弁明の機会が十分に与えられていたとはいい難い

懲戒処分の内容が重すぎる、手続が不十分だということです。

従業員の私生活上の非違行為に対して懲戒処分を行う際、処分内容を判断するのは本当に難しいです。

「裁判所は労働者に甘いな~」と感じる方もいると思いますが、そのようなときは、そもそも懲戒処分が使用者に認められる趣旨を考えるといいと思います。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介561 何を捨て何を残すかで人生は決まる(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
何を捨て何を残すかで人生は決まる (青春新書インテリジェンス)

レバレッジシリーズでお馴染みの本田直之さんの本です。

久しぶりに著者の本を読みましたが、スタンスがぶれていません。さすがです。

人や物や金や常識に対する執着からいかに脱するか。

そのような生活を受け入れる勇気と覚悟を持てるかが鍵になると思います。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

会社の外でも通用する人に共通しているのは、練習量の多さと練習への取り組み方を知っている点です。加えて、練習を積んでいる人は『量が質に変わる瞬間』を経験しているので、ますますトレーニングという自己投資に多くの時間を使うようになります。例えば、イチローが『今日も練習しなきゃいけない。嫌だな』とぼやいている姿は想像がつきません。彼らプロのスポーツ選手は、もっとうまくなりたいという思いがあるから自らの意志で動きます。・・・『やらされている』と『やりたい』の間にはとてつもなく大きな差があります。」(150~151頁)

同じ時間、同じ仕事をしても、「やらされている」人と「やりたい」人とでは、成長速度は、雲泥の差です。

「強くなりたい」「うまくなりたい」と心から願う人と嫌々やる人で成果が同じはずがありません。

日々の積み重ねにより、1年後、3年後、5年後と、その差は開く一方です。

自分が10年後、どうなっていたいのかを明確にイメージすることが大切ではないでしょうか。

「1日も早く一人前になりたい」「ナンバーワンになりたい」と願い日々努力する者が、「少しでも楽をしたい」「少しでも休みを多くとりたい」と願う者が負けるはずがないと確信しています。

解雇203(本牧神社ほか事件)

おはようございます。

今日は、神社の神職らの免職等が有効とされた裁判例を見てみましょう。

本牧神社ほか事件(東京地裁平成28年1月25日・労経速2272号11頁)

【事案の概要】

本件は、宗教法人であるY社の神職であるXらが、免職され、あるいは、休職期間満了により退職扱いとされたこと等を巡り、XらとY社との間等で、雇用契約上の地位等の有無が争われ、併せて、パワーハラスメント等を理由とする損害賠償責任の有無や未払賃金の有無等が争われている事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 Y社が主張する免職事由のうち、D代務者への不信をあおり、Y社からの排斥を企てた点と給与の無断増額の点については、Y社に生じた混乱や与えた損害の程度、意図的に行われたものであること等、その重大性や悪質な態様を勘案すれば、改めて注意・指導を与えその改善の機会を与えずとも、免職・解雇をするだけの客観的・合理的な根拠が認められるものというべきである。

2 確かにY社の定める懲戒規程によれば、神社の職員に職務上の義務違反があった場合には懲戒委員会の審査を経て懲戒処分を行うものとされている。しかし、X1の行為は、懲戒事由に当たるか否かにかかわりなく、本件規程の手続によることなく免職を行うことができる。また、弁明の機会の付与については、免職に当たり必ずその機会を付与しなければならないかはひとまずおくとしても、平成24年7月8日開催の責任役員会の席上、X1は部屋の外で聞いていたから免職の理由の説明は不要であるとして、これを制した上、免職の理由に対する意見・反論を述べていること、統理と県神社庁の長との間で協議を経ていないとする点についても、協議の方法や内容についての具体的な定めが見当たらないことからすれば、少なくともX1の免職に、それを無効とするような手続上の瑕疵は認められないというべきである。

懲戒処分をする際、一般的には適正手続(弁明の機会の付与)が保障されていることが有効要件とされていますが、今回の裁判例のように、若干心許ない状況にあっても、懲戒事由が存在することが明らかである場合には、裁判所は適正手続については大目に見てくれる傾向にありますね。

とはいえ、実務においては、適正手続を軽視するのはよくありません。

ちゃんと弁明の機会を与えるようにしましょう。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介560 お金と人を引き寄せる50の法則(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。
お金と人を引き寄せる50の法則

どういう姿勢で仕事に臨めば上に上がっていけるのか。

仕事のマナーや社会における暗黙のルールを教えてくれます。

上に上がっていく人は、こういうことを自然とやっているのです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

同行訪問というのは、チャンスを与えられたということだ。せっかくのチャンスを生かすも殺すもすべてはあなた次第である。命がけでチャンスを生かすためには、気力体力ともに準備を万全にして本番に臨むべきだ。それがプロというものだ。最低でも同行している上司より部下のほうが真剣に傾聴していなければお話にならない。真剣に傾聴した部下は、次のチャンスを必ず与えてもらえる。」(86~87頁)

会社に入りたてのみなさん、是非、このことを覚えておきましょう。

せっかく一緒について行く機会が与えられたにもかかわらず、ただ横で座っている傍観しているだけでは、お話になりません。

もはや次の機会はないと思いましょう。

上司や先輩の話す内容、話し方、口調、声のトーン、顔の表情、クロージングの仕方など、ありとあらゆることを自分のものにする場だと心得ることです。

終わった後も、上司や先輩に対して、「ありがとうございました」「勉強になりました」だけではなく、自分の疑問をぶつけるのです。

上司や先輩は、後輩の本気度を見ているのです。

認めた後輩を上司や先輩は本気で育てようとしてくれます。

まずは自分が本気にならないと状況は変わりません。

解雇202(学校法人矢谷学園ほか事件)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は、内部告発を理由とする懲戒解雇・解任の有効性に関する裁判例を見てみましょう。

学校法人矢谷学園ほか事件(広島高裁平成27年5月27日・労判1130号33頁)

【事案の概要】

本件は、(1)Y社と雇用契約を締結したXが、平成22年10月15日に懲戒解雇されたところ、X1が、本件解雇を不服として、Y社に対し、雇用契約上の地位を有することの確認、本件解雇後の賃金+遅延損害金の支払を求めるとともに、Y社の理事長であったAと元鳥取県議会議員であったBが、X1に対し、共同して、違法な退職勧奨及び違法な本件解雇をした旨主張して、A及びBに対しては、共同不法行為による損害賠償請求権に基づき、Y社に対しては、私立学校法29条・一般社団法人及び一般財団法人に関する法律78条に基づき、連帯して、損害金550万円+遅延損害金の支払を求め、また、(2)Y社の理事であったX2が、平成22年10月15日に懲戒解任されたところ、本件解任を不服として、Y社に対し、本件解任後の報酬+遅延損害金の支払を求めるとともに、違法な本件解任をしたY社及び本件解任を主導したAに対し、共同不法行為による損害賠償請求権に基づき、連帯して220万円+遅延損害金の支払を求める事案である。

【裁判所の判断】

X1が、Y社に対し、雇用契約上の地位を有することを確認する。
→Y社はXに対し賃金+遅延損害金を支払え。

Y社はX1に対し、Aと連帯して110万円+遅延損害金を支払え。

Y社はX2に対し、平成22年11月から平成23年9月まで、月額3万円+遅延損害金を支払え。

【判例のポイント】

1 Aが、Xに対し、不法行為に該当するような退職勧奨行為等をしていたことが認められることからすると、Xにおいて、Aを理事長兼校長から退任させようとしたことや、Aが理事長兼校長の地位にあるY社に対して反抗する姿勢を示したことには、酌量されるべき相応の理由があったと認められる。また、Aらが相談をしたBは、形式的には、Y社の部外者ではあるが、本件以前にY社を巡り教職員と経営側が紛争となった際に解決に尽力した者であったことに照らすと、Xらが本件手紙及び29枚の文書を交付して説明した内容を他の部外者に漏らす可能性は極めて低かったものと認められ、実際、Bが、上記内容を他の部外者に漏らしたものとは認められず、XらがBに対して本件手紙及び29枚の文書を交付してした説明及び相談した行為によって、Y社に多少の混乱を生じさせ、また、Aの心情を害したことは否定できないものの、Y社及びAにXを懲戒免職処分にすべき程の重大な実害が生じたとまでは認められない。これらの事情を総合考慮すれば、Y社が、Xを懲戒免職とすることは、重きに失し、著しく不合理であり、社会通念上相当なものとして是認することができないというべきである。
したがって、本件解雇は、解雇権の濫用として無効になるものといわざるを得ない。

2 第1次雇用契約が黙示に更新されたことは前記のとおりであるところ、黙示の更新について定める民法629条が、1項後段において、各当事者は、期間の定めのない雇用の解約の申入れに関する同法627条の規定により解約の申入れをすることができると定めていることに照らせば、雇用契約が黙示に更新された場合、更新された雇用契約は、期間の定めのないものになると解するのが相当である
そして、本件管理職規程では、Y社に採用されたXのような管理職の任用期間は2年以内とされているが、他方で、その任用期間を更新することができるとされているから、本件管理職規程をもって、上記と異なる法理が適用されるとも認め難く、XとY社との間の雇用契約は、第1次雇用契約の黙示の更新によって、平成20年4月1日以降、期間の定めのないものになったというべきである。

上記判例のポイント2は要注意です。

そんなことはあるのか・・・?と思ってしまうのですが、高裁がそのように判断しております・・・。

民法629条1項は以下のように規定されています。

雇用の期間が満了した後労働者が引き続きその労働に従事する場合において、使用者がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の雇用と同一の条件で更に雇用をしたものと推定する。この場合において、各当事者は、第627条の規定により解約の申入れをすることができる。

民法627条1項は以下のとおりです。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。